受験期の子育て

【連載】西京哲学―西京前校長村上先生が語る―(第2回:「西京生」とは)

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(第1回はこちらです。)

「京都の高校御三家」と称されるほど評判の高い高校の1つである西京高等学校。西京を志望校として日々勉強をがんばっている受検生も多いと思います。 今回は西京高校の創立準備段階から携わられておりました、前西京高校校長で現在京都市教育委員会学校指導課に勤務なされています村上英明(むらかみひであき)先生に西京高校での教育や受検について、子どもとの向き合い方について、さらには迫る入試制度改革について、お話していただきました。

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 グローバルリーダーを育てる

 ―改めて時代を先どってきたといいますか、かなり先進的な取り組みを続けておられたと思うんですけど、今はそのグローバル教育であったりコミュニケーション能力であったりに時代が追いついてきている、その上で西京が新しく踏み出そうとしている事柄はありますでしょうか。

おっしゃるとおり国際情勢がずいぶん変わってきて、私どもが先駆けでやってきたことが今や当たり前になって、それこそSGH(※1)がでたときには、「あれこれうちでやったことなんちゃうかな」って思いました。笑 

ただやはり国際化時代という、今は特にグローバルという言葉が非常に一般的に使われるようになったんだけど、グローバルに発信すべき内容は何なのか、日本人の強みは何なのか、あるいは京都人の強みは何なのか、っていうところをやっぱり意識しないといけないなと。

かつて日本が世界へ出ていくときに、公害や労働問題などの壁にぶつかって、色んな難しい問題がありました。でもそれを何とか乗り越え、やりながらきたノウハウが日本にはあるわけで、その克服してきた部分を、例えば東南アジアであったり中国もそうだし、カンボジア、アフリカであったりイスラムに、もっと発信していく必要があるんじゃないかなと思っているんです。

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西京を創る時に、当初からグローバルリーダーを育てるという言い方をしていまして、その視点はアジアにしようということを決めていました。今後やはり日本はアジアとうまくやらないといけないし、アジアの一員であることは間違いない。ですからここを視点に考えないといけないという考えを当初から持っていましたし、色んな勉強のツールもアジアを視点にしてやってきました。それもあって創立当初から約10年間の研修旅行は中国だったんです。今は東南アジアのほうに方向は向いていますけど。

アジアの一員としてアジアの中でどう貢献していったらいいのかという考えを日本は持つべきだと思うんです。アジアの中の先進国として、アジアの国々と日本が手を携えて、大きな言い方をすれば人類の平和だとか、国際化した社会できちんとうまくお互いがやっていける、そういうものはないだろうか、というのが今西京が取り組んでいるアジアフィールドワークっていうものなんです。アジアにいる高校生と共に一緒にものを考えたり、一緒にお互いが幸せになれるような関係づくり、これは人と人もそうだし国と国もそうだと。こういうことを考えている。これは大きな転換をしてきてると思うんですね。そこをもう少し研ぎ澄まして突き詰めていったときに、日本のリーダー像みたいなものがもっと明確に見えてきて、そこに西京に来た子どもたちを何とかその像のように育てることはできないか、というのをやっています。

※1 Super Gllobal High School:国際的に活躍できる人材育成を重点的に行う高等学校を文部科学省が指定する制度。語学力だけでなく、社会の課題に対する関心や教養、コミュニケーション能力、問題解決能力などを身に付けたグローバル・リーダーの育成を目指している

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―現在アジアの環境問題というテーマで2年生がフィールドワークに取り組んでいますね。

でもこの活動は色々リスクがあって、保護者さんに、あるいは中学生や小学生に、「いやー、うちはアジア視点ですよ」っていうのは最初はなかなか言いづらい。笑 研修旅行は中国行ってますよって言うと、「え、中国?!」という反応がよくあります。入学生や入学生の保護者さんからも言われるんです。でも入学前に言うてるんですけど、中国行きますよって。笑 

今ちょっとましになりましたけど、日中関係がぎくしゃくしてますし、当時はワールドカップの問題、環境問題、抗日だったりSARS、インフルエンザ等色んな問題がいっぱいあってね、大変だったんですよ。なかなか理解してもらいづらかった。 でも今は保護者のみなさんが「アジアええわ。」って言ってくれる。企業さんもずいぶんアジア圏に進出していたり、それこそ一家で行ってたり、お父さんが今単身赴任で東南アジア行ってますっていうのが、今では普通になりましたからね。私たちは行事は全て西京の目指すものに繋がるものだと思っているので、真正面から取り上げていくというつもりでやってきたんです。

―西京が求める人材像みたいなものが入試問題にも哲学として反映されているものですか。

もちろん。そういうつもりで作ってくださいとお願いしています。ただし100%になってるかどうかは、その年によって色々なので難しいですよね。作ることの難しさってのは、これは大きいです。ちょっとでも間違ったらえらいことになるので。

しかも学校の特色あるいは学校の狙いが問題に表れないと意味がないと私たちは思ってるんです。専門学科や附属中学校を作っている者たちの一つの考え方が表れないと、意味がない。ところが実際につくろうとすると、色んな制約があるんですよ。出してはいけないものもあれば、あまりにも難しすぎたらそれこそ学力が測れないし、逆に簡単すぎてもそうだし。 入試問題というのは最大のメッセージだと思ってるんです。隠れたメッセージだと思ってるんです。ところがそれを載せるときの難しさといったら。

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―我々も模試をつくるときに、学校のコンピテーションの部分を見ながら作成をするんですけど、やっぱり難しくて。

100%表れてるなんて私も言いません。正直もう仕方なく出してる問題も時々あったりします。だけど良い問題ですねって言ってもらえることもあって、それはすごくこちらとしてはありがたくてほっとしますね。

適性・推薦時代から、前期選抜に変わる高校改革の年に、西京独自のものを発信しようと、無理矢理思ってたんです。他校とどこが違うのかと言われたらはっきり説明できる中身にしようと。だからもちろん配点も違うし、問題時間も違う。「コミュニケ―ション検査」という独自な検査もあえてしてる。

―西京高校の入試問題は短時間にものすごい量を処理していくっていうのが顕著にどの科目にも表れていることを感じます。やはりそれは実業界で必要な能力である「物事を処理していく」という部分を見るために、科目間で横断したコンセプトがあるのかなって思いながら問題を見ていたのですが。

そうです。 初めに申し上げた「進取・敢為・独創」から社会へ、というところを念頭において、しかも大学受験もあるというところを混ぜながら、両方にできるような問題をと思っています。

 

第3回につづく

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当記事は、京都にある「堀川・西京・嵯峨野・桃山高校」専門学科入試専門塾のリングアカデミー講師陣が執筆しています。

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