【2021年度(最新版)】はじめての洛北附中入試 対策のすべて

2019年06月26日
小学生向け 受験対策/勉強法

洛北附中(=洛北高等学校附属中学校・洛北中)は、長年の伝統を有する京都府立の中学校です。

科学教育に力を入れていることで有名で、進学先の洛北高校はSSHにも指定されています。(2021年10月現在)
(SSHとは:Super Science HighSchoolの略。文科省による高校認定制度の一つで、SSHに認定された高校は科学教育のために特別予算が交付される。)

洛北附中の入試問題は、私立中とは一線を画して非常に独特です。難易度も高く、専用の対策が必要となります。

洛北附中を目指す方にぜひ知ってほしいものを記事にまとめました!

もくじ
・洛北附中の入試とは?
・洛北附中の国語:読解と長作文に迫る!
・洛北附中の社会:頻出の「未知問題」ってなに?
・洛北附中の算数:よく出る「3分野」って?
・洛北附中の理科:記述問題はなにが問われる?
・洛北附中の面接:過去の面接で聞かれたこと
・おわりに

洛北附中の入試とは?

洛北附中の通学圏は京都府内全域です。京都市だけでなく、亀岡市・宇治市・精華町など府内全域から通学者がいます。

同様に人気の高い西京附中は京都市内からのみ受検可能で注意が必要です。

定員は80名で、倍率は例年3〜4倍で安定しています。西京附中の倍率が4〜5倍であることと比べるとやや低倍率に見えますが、実際の入試難易度にそれほど差はありません。

入試科目は、

  • 適性をみる検査I:国語
  • 適性をみる検査II:理科・社会
  • 適性をみる検査III:算数

の3つです。これらの適性をみる検査(ペーパーテスト)に加え、同日の昼食後にある面接試験と、報告書(小学4〜6年生)の結果を合わせて総合的に評価され、合格者が決定されます。(※参考:西京附中の報告書は小学5・6年生)

検査・面接・報告書の得点配分は公表されていません。

それでは、各検査・面接の特徴をそれぞれ見ていきましょう。

洛北附中の国語

例年、文章読解問題が2題、長作文問題が1題の形式です。

課題文の字数は3000〜4000字で、大学受験生向けセンター試験と同等のボリュームです。

文章は説明文・評論文が多く、テーマは自然科学系や教育系が頻出です。これは、科学教育に力を入れる洛北附中ならではの傾向といえます。

長作文問題は、例年361〜450字程度(原稿用紙約1枚分)とかなり字数が多いのが特徴です。(比較:西京附中の長作文は150〜200字程度)

洛北附中の国語対策の詳細はこちらの記事をご覧ください。
【洛北・西京附中の国語】勉強法とオススメ教材!

洛北附中の社会

洛北附中は「公立」の中学校のため、私立中入試とは異なり、必要な知識は教科書レベルで十分です。

そのかわり、写真や表資料を用いた問題が多く出題され、詰め込みの知識ではなく論理的思考力、また記述をまとめ上げる力が必要となります。

出題は地理・歴史が多く、公民は1割程度です。

「未知問題」と言われる問題がよく出題されるのが洛北社会独特の特徴です。

これは、教科書にはもちろん私立中入試対策でもまったく扱わないような問題を、与えられた情報を論理的に整理することで解く、という問題です。

細かい知識を要求しているのではなく、資料の情報と教科書の知識を結びつけることが必要で、専門のトレーニングが必要となります。

(※洛北附中の社会対策の詳細は、近日中に公開予定です。)

洛北附中の算数

洛北附中は「公立」の中学校のため、私立入試特有の特殊な計算方法(面積図やニュートン算など)はまったく必要ありません。必要なのは、「科学的思考力」と呼ばれる、単純なパターン学習から離れた能力です。

洛北附中の算数は、園部附中や南陽附中などの同じ京都府立中入試との「共通問題」と、洛北附中による「独自問題」が出題されていました。

H31年度入試では、「共通問題」が3題、「独自問題」が2題出題されました。一般に「共通問題」のほうが解きやすく、得点源となりやすいです。

H32年度入試では全問共通問題となり、大幅な易化が進みましたが、R2年度には難度は例年通りとなりました。

出題分野は安定しており、「作図」「数の性質・規則性」「立体図形」の3つがよく出題されます。 特に、「立体図形」の問題は特徴的で、立方体を積み上げる題材がよく出題されます。

A4で約2ページの非常に長く、複雑な条件が設定されるため、特に対策をしておく必要があります。

洛北附中の理科

洛北附中の理科は、社会と同様で教科書レベルの知識で十分です。

消化液、離弁花類・合弁花類などの私立中入試でよく扱う分野は、教科書に載っていないため洛北附中で出題されることはありません。

実験・観察中心の出題が多く、科学的読解力などの能力が要求されます。

理科の中でも記述問題が多いのも特徴です。洛北附中では、「答えにたどり着いた筋道」を説明させる記述問題がよく出題されます。

解き方を暗記する勉強法では太刀打ちできず、日頃から「問題を解くだけでなく、解き方を説明する」練習をしておくとよいでしょう。

洛北附中の理科対策の詳細はこちらの記事をご覧ください。
【洛北・西京附中の理科】勉強法とオススメ教材!

洛北附中の面接

洛北附中は、合否決定の上で面接を非常に重視しています。ペーパーテストだけでなく、面接対策も入念に行っておく必要があります。

これまでは出題形式が安定しており非常に対策しやすかったものの、近年は「挙手制」の導入など、傾向が大きく変化しつつあります。

H31年度入試の出題は、次のとおりでした。

  • 適性検査を受けた感想
  • 志望理由
  • 小学校の授業で印象に残っていること(挙手制)

挙手制の設問については、手を挙げない場合は何も聞かれない可能性もあり、積極的に発言しようとする姿勢が重要です。

いずれにせよ、一貫して「これまでどのように生きて、いまどのような生活をしていて、将来どうなりたいか」が聞かれていることは変わりません。

これまでの人生から得た教訓と、将来の展望を言語化しておくことが対策の第一歩です。

おわりに

洛北附中は、私立対策とはまったく異なる独自色の強い入試が実施されています。

一方で、知識の詰め込みや解法のパターン学習などの学問の本質から外れた努力は必要ないため、洛北附中対策で得た勉強法・思考法はそのまま大学入試など幅広く使うことができます。

洛北附中を目指すみなさまを、小学まなべーとは応援します!

 

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