
西京附中(=西京高等学校附属中学校・西京中)は、人気急上昇中の京都市立中です。
国際化教育に力を入れており、英語や海外研修などでの独自の取り組みが魅力的です。
西京附中の入試問題は、私立中とは一線を画して非常に独特です。難易度も高く、専用の対策が必要となります。
西京附中を目指す方にぜひ知ってほしいものを記事にまとめました!
- もくじ
- ・西京附中の入試とは?
・西京附中の国語:
・西京附中の社会:
・西京附中の算数:
・西京附中の理科:
・西京附中の面接:過去の面接で聞かれたこと
・おわりに
▼西京附中の入試とは?
西京附中の通学圏は、京都市内に限られます。そのため、たとえば宇治市や向日市など、京都市外から受験することはできません。
西京附中の人気は非常に高く、京都市内に転居して受験する小学生も一定数いるようです。
定員は120名で、倍率は4-5倍です。洛北附中が3-4倍であることに比べると高倍率に見えますが、実際の入試難易度に大きな差はありません。
入試科目は、
- 適性をみる検査I:国語
- 適性をみる検査II:算数
- 適性をみる検査III:理科・社会
の3つです。これらの適性をみる検査(ペーパーテスト)に加え、同日の昼食後にある面接試験と、報告書(小学5・6年生)の結果を合わせて総合的に評価され、合格者が決定されます。(※参考:洛北附中の報告書は小学4〜6年生)
適性をみる検査・面接・報告書の得点配分は公表されていませんが、「面接の出来は合格に強く直結する」ことはぜひ知っていただければと思います。
決して、適性をみる検査の点数のみが重視されるわけではないことが明らかになっています。
適性をみる検査の合格者最低点は、年度によってばらつきはありますが、例年おおむね6割前後であることがこれまでの得点開示制度の情報でわかっています。
ただし、面接や報告書の点数は公表されないため、あくまで目安に過ぎません。
西京附中の国語
例年、長文の読解問題と、中作文が出題されています。
長文の読解問題
5000-6000字と極めて分量の多い課題文を読み取る必要があるため、長い文章から必要な情報をあぶり出すための特別な訓練が必要です。
課題文の題材は道徳や教育に関するテーマが多く、洛北附中が自然科学系のテーマを多く出題していることと対照的です。
中作文
例年、150-200字程度の字数指定が与えられています。洛北附中の長作文より字数は少ないものの、文章の要約と自分の意見をコンパクトにまとめる必要があり、むしろ難度は上がっていると言えます。
約15分程度で書き上げる必要があり、非常に負荷が高い設問です。西京附中独特の傾向と言えるため、専用の対策をしておく必要があります。
西京附中の社会
西京附中は「公立」の中学校のため、私立中入試とは異なり、必要な知識は学校の教科書の範囲を超えません。
一方で、教科書範囲については万全の理解を要求しているとも言えます。私立中入試とは必要な知識の広さ・深さがまったく異なります。
また、与えられた資料を正しく分析して答えを導く「情報処理問題」と言われる設問があるなど、問題の水準はとても高いと言えます。
地理分野の出題
4、5年生の教科書範囲からの出題も多くあります。4、5年生範囲の復習は手薄になりがちなので、遅くとも6年生の夏休みまでには復習しておきましょう。
歴史分野の出題
記述問題が出題され、例年、点数の差が出る問題です。しかし、あくまで題材は教科書の内容のため、教科書を暗記するほどに読み込んでおく必要があります。
西京附中の算数
洛北附中に比べて、西京附中は出題形式は安定していません。
一方で、資料読み取りに関する問題はH27年度から一貫して出題され続けており、グラフや表を使った複雑な問題への対応は今後も問われるものと思われます。
資料読み取りのほかに、速さや立体に関する問題もよく出題されます。 洛北附中の立体問題が規則性や整数の性質などを背景に持っているのに対し、西京附中の立体問題は高い空間把握能力を要求する問題が多いのが特徴です。
計算量も、洛北附中に比べて多い傾向にあります。分数や小数の計算は、ミスなく高速にできるよう、毎日ドリルなどでトレーニングしておきましょう。
西京附中の理科
力学分野(てこ・てんびん・ふりこ・ばね)がとても頻繁に出題されます。
教科書範囲の知識を超えることはありませんが、要求される思考力は非常に高レベルです。
特徴として、「答えが一つに決まらない記述問題」が出題されることが挙げられます。
たとえば、「行商がてんびん量りではなく、さお量りを使うのはなぜか?」という出題は、教科書はもちろん図鑑などにみられる知識ではなく、日常的にさまざまな物事に疑問を持つ姿勢が要求されています。
また、算数の力を要求する問題が理科の中で多く出題されます。割合・速さ・比例反比例はとくに頻出で、理科対策のためにも重点的に対策をしておく必要があります。
西京附中の面接
西京附中に合格するためには、面接対策も非常に重要です。
西京附中が面接で受験生に要求しているのは、
- 大人の試験官を相手に、はっきりと受け答えする能力
- 自分の経験や考えを、理路整然と述べる能力
- とっさの質問に、臨機応変に対処する能力
などです。これらは小学生の日常生活で身につけづらいものです。
特に、「とっさの質問」は西京附中の面接の大きな特徴と言えます。H31年度の質問は、「AIが搭載された掃除機は、学校に必要か」でした。
緊張している中ですばやく考えをまとめ、納得の行く回答をするのは受験生にとって難しかったようです。
また、この設問は「変形挙手制」でした。 変形挙手制とは、他の人の考えを聞いて、反論や意見の付け足しを行うことを要求する出題方法です。ほかの受検生が話している間に、自分の考えをまとめることが出来ないよう工夫されています。
面接の対策には、家庭での練習も効果的です。西京附中の出題傾向に即した、様々な問答を繰り返すことで、面接耐性を上げることができるでしょう。
おわりに
西京附中は、私立中入試とはまったく異なる独自色の強い入試が実施されています。
一方で、教科書範囲を外れた知識の詰め込みなど、受験生をいたずらに疲弊させるような努力を要求しないところは、西京附中の大きな強みです。
あくまで勉強の楽しさを感じながら、ポジティブに目指すことができることが、西京附中入試の最大の特徴と言えるでしょう。
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