【洛北附中 算数】伝統の『洛北立体』が変化!『難易度』と『新傾向』最新分析

2020年04月05日
小学生向け 学校/入試情報

この記事では、この記事は、洛北附中(府立洛北高校附属中・洛北中)の2020年(令和2年度)入試問題のうち、算数の出題について分析します。

例年の傾向

適性をみる検査Ⅲでは、例年5題の大問から出題されています。洛北附中の算数では作図の問題と立体を用いた問題がよく出題されています。今年度の問題は、作図や立体問題の他に、数の性質や場合の数を用いる問題が多く出題されていました。作図においては、例年はコンパスを使う問題もよく出題されていたのに対し、今年度は角度に注目した問題が出題されていました。

洛北附中の算数分野の出題で求められている力は大きく分けて3点です。

1点目は「未知の規則や知識を、自分で手を動かして理解する力」

2点目は「与えられた条件を、わかりやすく整理する力」

3点目は「戦略を立てて取り組む力」です。

未知の規則や知識を、自分で手を動かして理解する力

京都公立中学校の算数問題全般に言えることですが、算数の問題の多くでは問題文に出てくる見知らぬ規則、操作を理解することが必要になります。

そういった問題は条件文を眺めているだけで解けるようにはなりません。条件に従って、規則を理解できるまで書きだしてみることが大切になります。

洛北附中対策専門塾の「洛ゼミ」ではこの力を試行力と呼んでおり、思考力へ繋げるための大切な力として重要視しています。

与えられた条件を、わかりやすく整理する力

洛北附中の算数は、算数という教科にしては珍しく問題文が非常に長い特徴があります。

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これは不必要な説明があることや、条件設定が複雑であることを示しています。

よって、この試験に取り組む際には、問題文を読みながら必要な情報のみを分かりやすい形でまとめる必要があります。

戦略を立てて取り組む力

例年の洛北附中の算数は難易度が高く、平均点が低い問題が多いため、満点を狙いに行く必要はありません。

そのうえで高得点を取るには、まずは問題の難易度を正しく把握して、解く問題と解かない問題の取捨選択を行う必要が私立中入試以上に重要です。

検査が始まった際に問題全体を把握し、解く順番や時間を決めておきましょう。

洛北の算数では各大問の最終問題、特に立体図形の最終問題が難しい傾向にあります。難しすぎると判断した問題については思い切って飛ばし、より解けそうな問題に取り組んだり、見直しをする時間を作ったりと、より確実に得点することを心がけましょう。

今年の傾向

出題形式:例年とほぼ同様

今年の検査IIIの問題は、大問数が5つと、これまでと変わらない様相でした。

ページ数は6ページで変化がなく、小問数15題で昨年度の17題に比べて減少しました。

ただし、後述の通り作業量の多い問題が出題されているため、解き終えるまでにかかる時間は変化がない印象です。

出題分野は、作図・数の性質・立体図形など、これまでの傾向を踏襲しています。昨年度と同様、一つの大問内で分野を切り替える出題がありました。この傾向は他教科にも見られ、一回の検査で要求される力がより広がったといえます。

出題内容:新傾向!立体図形問題の変化

今年度から見られた新たな傾向として、立体の問題において、立方体ではなく箱が題材となっていました。

これまで洛北附中での立体図形の出題はほとんどが「立方体の積み重ね」に関する問題でしたが、大きく傾向転換したこととなります。

しかし、実際に要求されている能力はこれまでと変わらず、傾向変化に度肝を抜かれることがなければこれまで通り解くことが可能です。

また、最大最小を推論させる問題が多く出題されたのも特徴的です。

さらにこれは「見当をつけてすべて書き出さないと求まらない」問題で、計算スピードを要求する点が新傾向と言えます。

今年の難度は?

今年度は、組み合わせを利用する問題が多く見られたため、この分野が苦手な生徒にとっては取り組み難いものだったと考えられます。

立体を利用した問題に関しては、おそらくほとんどの生徒にとって初めて出会う問題であり、動揺した生徒もいるかもしれません。

総じて、作業量は多く時間配分などの戦略で差がつくことは考えられたものの、概ね例年と比して標準的な難易度であったと言えます。