まず、その圧倒的な問題数と厳しい時間的制約に悩まされるのが、西京理科の最大の特徴でしょう。
特に、時間内に処理しなければならない情報量は、他の3校と比較しても群を抜いて多いです。
果たして、本当にすべての問題を処理しなければならないのでしょうか?
難易度にもよりますが、例年、受検生の正答率は5~6割程度となっていて、そこから考えると、「すべての問題を解ききる」必要は全くありません!
ただ、注意してもらいたいのは、「5~6割の問題に着手すればいい」というわけではないことです。
仮に、答えた問題すべてが正解であるならば、それでもいいでしょう。もっとも、そんな人は他の問題もスラスラと解けると思いますが…。
必要な力は「解ける問題を瞬時に判断し、時間を費やすべきポイントを正しく見極められる力」です!
がむしゃらにすべての問題に時間をかけるのではなく、「解ける」問題に特に時間をかけましょう!
ここでは、昨年度出題された問題の中でも「差がついた」と思われる問題を扱います!
最新入試問題から学ぼう!
■2016年度 西京高校出題(一部改変)
大問2(B) (6) 水と濃硫酸が混合すると、多量の熱が発生する。濃硫酸に水を入れると、発生した熱で水が沸騰し、飛び跳ねて非常に危険である。希硫酸を調整するときは、水に濃硫酸を加える。水に濃硫酸を加える方法では、熱が発生するが、溶液が飛び跳ねる危険性は低い。この理由を密度に注目して、30字程度で説明しなさい。
一見すると、記述式で内容も複雑に見えるかもしれません。
注目するべきポイントは、「密度に注目して」という部分です。ここに注目できれば、「解けそう!」というイメージがわくはずです!
ゼロから自分で解答を構成するのではなく、「密度」について触れて記述すればいいのです!
ここに気付くかどうかで、この問題の難易度は大きく違って見え、差がついてしまったでしょう。
演習量が勝負を分ける!
とはいえ、問題の注目すべきポイントを見極め、解ける問題を判断するのは、すぐに身につくものではありません!
問題演習をこなしていく中で、「どこに注目すれば手早く処理できるのか」という意識を働かせるのが、他の受検生よりも一歩リ-ドするための「極意」です!