モラル・ライセンシングとは?
試験勉強や受験勉強をしている時、自分が立てた目標をクリアすることができた次の日は、そのごほうびとして勉強時間を少なくして、遊ぶ時間を設けたりだらだらしたりすることありませんか?
筆者が受験生時代はしょっちゅうしてました。
この「ごほうび」、けっこうやみつきになるんですよね。
このように、良いことをしたあとや頑張った後にごほうびとして
「ちょっと怠けてもいいかな、今日は勉強しなくてもいいかな…。」
と思ってしまう心理効果のことを、モラル・ライセンシング(Moral Licensing)といいます。
頑張った後にごほうびを自分に与えることは、モチベーションを保つために大切なことですが、このモラル・ライセンシングはしばしば自分の目標と逆行するものになってしまいがちになるといいます。
確かに頑張って100%を力を出した次の日、10%の力しか出せないよりも、常に80%の力をキープできた方が、安定していて効率的ですよね。
頑張った反動で結果的に効率がダウンするのは避けたいところ。
では、モラル・ライセンシングに惑わされないためにはどうしたらよいのでしょうか。
「怠けタイム」を生活に組み込もう
毎日必ず、頑張る時間とは別に、1時間程度の自分的リラックスタイムを設けてみましょう。
この時間は勉強とは関係のないことをする時間にします。いわば「怠けタイム」です。
こうすることで、「今日も頑張った、でも怠けた」と思うようになるため、「明日も頑張らなければ」という緊張感とモチベーションにもつながるのです。
結果、次の日を丸々1日、無駄な時間の使い方をして潰してしまうということを防ぐことができます。
目標とは関係のない「ごほうび」にする
頑張った自分にあげるごほうびを選ぶ際に重要なことがあります。それは、目標とは関係のないことをごほうびにするということです。
達成しようと頑張っている目標がある場合、多くの物事を、その目標を基準にして良いか悪いかを判断するようになると思います。たとえば、ダイエットに向けて努力しているならば、運動をすることは良いことで、甘いものを食べることは悪いこと、となりますね。
人間は、頑張ったごほうびを選ぶ際、目標に逆行する悪いことを選びやすくなるといいます。すなわち勉強を頑張った後のごほうびを例として考えてみると、勉強することは良いことであると判断すると、ごほうびとしてその逆である、勉強をしないことを選んでしまいがちになる、ということです。
時と場合によって事情は異なると思いますが、前日に勉強を頑張ったからといって翌日の勉強を減らすと、結果的に効率がダウンしています。
ですから、勉強を頑張るという目標に対するごほうびは、例えば「好きなゲームをする」とか、「ケーキを買ってきて食べる」とか、その目標とは関係のないものを選ぶことが大事です。
だらだらすること自体が悪いのではなく、頑張った後のごほうびを何にするか、ということが重要だったのですね。
モラル・ライセンシングを上手にコントロールして試験勉強や受験勉強に取り組むと、良い結果を生むかもしれませんね!