多くの学校では春休みに入り、次の学年へ向けて準備を進める時期となりました。そろそろ入試を意識し始める人も多いのではないでしょうか?
そこで社会について皆さんに注意してもらいたいのが、定期テストと入試問題では、問題の出され方が違うということです。
となると、学校の定期テスト対策と同じ勉強法では入試問題には対処できない!ということですね! 早速見てみましょう。
定期テストと入試問題の“決定的な違い”
定期テスト
定期テストの地理では、“地域ごと”に知識が問われます。皆さんの学校では、1学期後期のテストはアジアとヨーロッパ、2学期前期のテストは西日本、というように、地域ごとにテストが出されていたと思います(進み方は学校によってバラバラですが)。
高校入試
一方、高校入試では地域ごとの出題よりもむしろ、“テーマごと”の出題が多数を占めます。ここでいう「テーマ」とは、気候や産業、文化などのことです。
中学の地理では、地域ごとにその地域の自然環境や農業、貿易などを学びます。しかし入試の社会では、ここで習った気候や産業などの「テーマ」が、地域の枠を超えて出題されるようになります。
例えばこちらの問題。
この問題は2015年に嵯峨野高校で出された問題です。茶の生産国が問われていますが、皆さんはどの選択肢が正解か、分かるでしょうか。
正解は「カ」です。インド、ケニア、スリランカといった国々でお茶の生産が盛んなことを知っていれば解ける問題ですが、これらの国々はアジアやアフリカなど地域がバラバラ。どれか1つは覚えていても、3つとも覚えている人はなかなかいないでしょう。
「インドでは盛んな農業は、茶!」
が分かるだけでなく、
「茶が盛んなのは、インドとケニアとスリランカ!」
と言える必要があるということですね。ではどのような勉強法が良いのでしょう?
知識を「テーマ」でまとめよう
そこでオススメしたいのが、「テーマ」ごとに知識をまとめる、という勉強法です。それまで地域ごとに習っていた事項を、テーマごとにまとめてみる。そうすると、これまでバラバラだった知識が1つになり、先ほどの問題のような、複数の地域にまたがる問題にも対応することができます。
例えば、
「オーストラリアでは鉄鉱石がたくさん採れる」
という事項を習ったとき、これだけを覚えるのではなく、ほかに鉄鉱石の生産が盛んな場所はないかどうか探してみましょう(中国の北東部やアメリカのデトロイトが有名ですね)。
「鉄鉱石が採れるのはオーストラリア、中国北東部、デトロイト」
と、ノートの隅にメモしておけば、それだけで「鉄鉱石」というテーマの問題への対策になります。
このように、「テーマ」ごとに知識をまとめることで、入試問題への対応力は格段にアップします。地理にはたくさんのテーマがありますが、その中でも特に覚えておきたいテーマは以下の通り。
1.資源(石油、鉄鉱石、石炭、天然ガスなど)
2.農作物(米、小麦、とうもろこしなど)
3.文化(宗教、住宅、衣服など)
これらのテーマは入試でも頻出です。テーマごとに知識を整理して、入試への第一歩を踏み出してください!
~おまけのお話~
記事で例にした問題では、茶の生産が盛んな国としてインド、ケニア、スリランカが挙げられていました。これらの国々はいずれも赤道に近く、たくさんの雨が降る国ですが、実はもう1つ共通点があります。 それは、かつてイギリスの植民地だったという点です。イギリス人は紅茶が大好きで、一日に何度も紅茶を飲むと言われます。そのため、イギリスの植民地では茶が多く栽培されるようになりました。そのなごりで、今もこれらの国々では茶の生産が盛んなのです。
●お茶で覚える世界の地名(入試には出ません!)
ダージリンティー・・・ダージリン(インド北東部ベンガル州)
アッサムティー・・・アッサム(インド北東部アッサム州)
セイロンティー・・・セイロン(スリランカの別名)
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