
筆者について 京都大学工学部地球工学科及び工学研究科都市社会工学専攻卒。 2回目の挑戦で京大工学部地球工学科に合格するも、現役時代は報われなかった。 浪人が決まり、その原因を紐解くと、勉強の仕方に問題があったと気づく。
「落ちる人」と「受かる人」
どれだけ勉強しても、それが「成績を伸ばすための勉強」になっていなければ、志望校合格には何の意味もありません。
皆さんの中に、「成績を伸ばすための勉強」ができていると自信を持って言える人は、どれくらいいるでしょう?
今回は、「落ちる人の勉強法」と「受かる人の勉強法」、その決定的な違いを教えます。
勉強時間では差はつかない
受験勉強を進める上では、勉強時間より生産性を重視すべき
皆さんは「量より質」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。確かに「がむしゃらにたくさんを問題をとき、長時間勉強することはベストではない」と何となくわかるのではないでしょうか?
では、「質」って何でしょう。
その答えは「勉強時間」と「生産性」にあります。
テスト本番の点数=勉強時間×生産性 で決まります。
「勉強時間」とは、読んで字のごとく勉強にかける時間のことです。
「生産性」とは、勉強時間あたりの成績の伸びのことです。
これを見直すことによって、成績を伸ばす勉強法に変えることができます。
勉強時間
正直、京大を志望する受験生の中では、勉強時間にほとんど差はありません。ある程度皆さん時間をかけて勉強しているからです。
こんな質問をするとします。
「休日、何時間勉強したら『今日は一日勉強した!』と言えますか?」
ある人は6時間、ある人は9時間と答えるかもしれません。
長時間勉強する人とそうでない人、少なくとも、1.5倍程の差しかないのではないでしょうか?
最大で2倍といったところでしょう。
生産性
一方、生産性に関しては、人によって大きな差があります。
例えば、単語テスト一つとっても、同じどころか勉強時間を減らして効率よくやって同じ点数が取れる人、いますよね。
Aさんは毎日英単語と日本語訳を何度も書き、合計3時間(180分)かけて単語テストの勉強をしました。20点中18点でした。
Bさんはテスト前日と当日、合わせて18分で単語テストの勉強をしました。20点中18点でした。
同じ単語を覚えるという作業はBさんはAさんの1/10です。それでも二人は点数が変わらないので、BさんはAさんよりも生産性が10倍高いということになります。
さあわかりましたか?
Bさんのように勉強できるようになること、すなわち
「生産性を改善することが、成績を上げる唯一の方法」であることがわかります。
「成績の伸びしろ=生産性」を上げるには
何をするにも生産性を上げるためには、まず「全体像を把握」し、「足りない部分を特定」し、「アクションを決め」、「優先度を決める」という作業が有効です。
これを受験勉強に当てはめると、
①勉強プロセスの全体像を把握し、②志望校合格レベルまでの足りない部分を特定し、③具体的にやるべきことと、それらの優先度を決める
という手順になります。
一つ一つ確認していくことで、いつもの勉強が、“成績を上げるための”勉強に変わります。
手順① 勉強プロセスの全体像を把握する
習ったことのない状態から、それをテスト本番で使えるようになるまでの過程を把握します。
例えば、初めはベクトルという言葉さえ知らない状態ですが、高2の2学期に習う、これがスタートです。
入試で問題が出されたときにベクトルを使って解けるようになる、それがゴールです。
要するに、このスタートからゴールまでの地図を確認する、といったところでしょうか。
もし全体像を把握せずに勉強に着手すると、そんなに大事ではないところに時間をかけすぎてしまいます。
筆者は現役時代、これを怠ったために、そんなに大事ではないところに時間をかけ、一方本番で重要な科目(数学)で足を引っ張ってしましました。
よってこの作業は、「いつまでに・何を・どれくらいやるべきか」を明確にするために不可欠です。
よって、何となく「学校→復習→演習」ではなく、「高3の7月までに○○の復習→演習に入る」くらい詳細に意識できるとよいでしょう。
手順② ゴールまでのギャップを知る
模擬試験などを利用し、今の自分はどのくらいの成績なのかを把握します。
そして、同じ志望校を目指す他の受験生はどのくらいの点数を取っているのか、今の自分受験本番で入試を突破するにはあと何点上げる必要があるのか、把握してください。
手順③ 具体的なアクションと時間配分(上図参照)
手順②で知った、自分の現状から志望校合格までに到達するには何が・どのくらい必要なのか、に基づき、それを達成する具体的な方法を考えます。
その際、優先度をしっかり把握するようにしてください。
おすすめは、成績の伸びが目に見えやすい暗記科目を先にやってみること。努力の成果が目に見えると、勉強全体に対するモチベーションになります。
まとめ・効率的な勉強計画を立てるために
成績の伸びしろそのものである「生産性の高い状態」とは、
「“全体を見据えた”上で、
ゴールと現状からのギャップがどの程度あるのかを特定できており、
取るべきアクションと優先度の高低をつけられていること」でした。
今回紹介した手順を一つ一つやってみてください。