
学部選びは、まさに「学生生活選び」
京大オープンキャンパスで学部を決められなかった人へ
先日京大のオープンキャンパスが行われました。
現在法学部に通う筆者も、オープンキャンパスで京大の雰囲気に惹かれ、「絶対京大に行く!」と心に誓った高2の頃を思い出します。
その頃は総合人間学部をなんとなく志望していた筆者でしたが、もう一度考え直し、専門的なスキルを学びたいと思って法学部に変更しました。
現役京大生の6割が、学部選びに後悔している
さて、京大受験生のみなさんはもう行きたい学部は決まっているでしょうか?
「学部選びは大切!」
現役京大生からしても、これは本当なんです!
というのも、意外と高校生に知られていないのが大学は同じでも、学部によって、学べること・忙しさ・卒業のしやすさ・将来の選択肢が本当にバラバラだということ!!!
筆者が周りの京大生100人にアンケートをとったところ、60人が「自分の通う学部に後悔したことがある」と答えました。
どこの大学を目指すのか?学部は?学科は?
そもそも文系?理系?
どうやって選ぶのがベストでしょうか。
もちろん、通う人の声を聞くのが一番に違いありません…!
京大生が、〇〇学部のリアルを教えちゃう
高校生諸君、せっかく頑張って受験勉強をして大学に行くのであれば、4年間まるまる楽しめる大学に行こうではありませんか!
ということで、今回は【京都大学】に行くぞ、までは決めたという高校生に、「実際に京大のこの学部に入ったら、こんな感じですよ」を、その学部通う現役京大生がお伝えします。
適性診断を受けても進路が決まらない、選び方がわからない、そんな高校生必読です。
・法学部 ・経済学部 ・教育学部 ・文学部 ・総合人間学部
理学部・工学部・薬学部・農学部・医学部をまとめた、理系編はこちら!
法学部
京都大学法学部の特徴
京大法学部の特徴は
①学科が分かれていない ②卒業論文の提出なし
ということでしょう。
学科が分かれておらず、幅広く勉強できる
他の大学はよく法律学科と政治学科に分かれていることが多いのですが、京大にはその分類がありません。
よって民法、刑法、憲法、国際法、会社法、などのがっつり法学系から、政治思想史、アメリカ政治、比較政治学などの政治系、さらには財政学、租税論などの経済学部の科目も学ぶことができます。
これによって、弁護士を本気で目指すひとも多いですし、そうでない人もたくさんいます。
ロースクール(弁護士などの法曹を目指す人が通う大学院)に進む人は、全体の3割程度です。
その他の人は、普通に就職したり、国家公務員を目指します。
法サ連(法学部サークル連盟)というものがあり、憲法研究会、現代法学部研究会、法律相談部など、大学の授業とは別に、自分たちで法律を学んだり、問題を解いたり、勉強を教え合ったりしています。
卒業論文なし
また、「京大法学部は死ぬほど大変」という噂を聞いたことのある人もいるかもしれません。
確かに、法学部の授業内容は難しく、きちんと勉強していないとテストは余裕で不合格となる、ということも少なくありません。
ただこれと引き換えに(?)、卒業論文の提出はないので、コツコツ勉強してテストに合格することが重要です。
またこれは筆者の考えですが、テストが厳しい分、しっかり勉強に取り組み、「大学で学んだ」実感生まれるのがいいところです。
京都大学法学部にはどんな学生が多い?
男女共に明るく、かつ真面目な人が多い印象です。
法学部の筆者が言うのも気が引けますが笑、京大の中ではおしゃれでキラキラしている人が多い印象もあります。
京大本部、図書館の隣、あの時計台裏にある建物(法経本館)で学んでおり、法学部生たちは「大学の中心で学んでいる感」を少なからず感じていることでしょう。
一方、勉強をおろそかにしていてはテストに合格できないため、助け合いながらテスト勉強に取り組む文化があり、勉強に対しては真面目な人が多くいます。
京都大学法学部の忙しさは?
★★★☆☆
確かに、テスト前は必死に試験勉強することが求められますが、それ以外はまさに自分次第。
出席が必須ではない科目がほとんどであり、課題もないため、勉強に打ち込む人、授業はサークルに打ち込む人、その他の活動に打ち込む人も多いです。
ただ何度も言うようですが、付け焼き刃で対処できるテストではないため、コツコツと勉強するのがベストです。
京都大学法学部の公式HPはこちら。
経済学部
京都大学経済学部の特徴
京大法学部の特徴は
①授業が面白い
②単位が取りやすい
③卒業論文が必須ではない
ということでしょう。
①授業が面白い
「大学の講義って、教授が長い黒板に板書を書いて、ひたすらそれを写す。」
そんなイメージありませんか?
経済学部の授業は、一味違います!
実際に銀行で仕事をしておられる方や、大手広告代理店で働いている方、それにニュースで見たことがある方など様々な社会人が京大に来てくださり、その方々のお話を聞くことができます。普段はなかなか会うことができない方も多数いらっしゃるので、授業でその方の話を聞くことができるのはすごくお得ですね!
②単位が取りやすい
(もちろん科目によりますが)1科目にかける労力はそこまで多くはなく、高校の定期試験を乗り切れる皆さんなら何も心配はいりません!笑
早い人は3回生にはすべての単位を取りきってしまうこともあります。
③卒業論文が必須ではない
一般的に4年生になると提出しなければならない関門である卒業論文は、書いても書かなくても自由です。
学生の自主性に任されているのは、さすが京大という感じですね!
京都大学経済学部にはどんな学生が多い?
学業にはそこまで負担はかからないため、大学での学業以外にも様々な活動をしているアクティブな人が多い印象です。
単位を早く取り終わって長期間の留学に行ったり、自分が勉強している経営の知識を生かそうと企業でのインターンシップ(一定期間、企業で社員として働くこと)したり、はたまた自分でビジネスを始めてしまう人など本当に多種多様です。
京都大学経済学部の忙しさは?
★☆☆☆☆
正直なところ学業ではそこまで忙しくはありません。
しかし、2回生から始まるゼミ活動はかなり充実しています。所属するゼミによっては、企業とコラボして商品を開発するなど、かなり面白い活動をしているゼミもあります。
ゼミに所属することでサークルなどとは違った交友関係もできて、非常に楽しいです!
京都大学経済学部の公式HPはこちら。
教育学部
京都大学教育学部の特徴
京都大学教育学部の特徴は
①人数が少なく、教育学部内での結びつきが強い
②テストよりもレポート重視
ということでしょう。
教育学部内の、横の繋がりが強い
1学年60人、文系学部の中で、圧倒的に人数が少ないのが京大教育学部です。
そのためか、とにかく学部での結びつきが強い。
入学してすぐに学年全員みんな顔も名前も一致するくらい仲良くなるらしいです。
1年生の間は毎日吉田食堂(吉田南構内にある食堂)の2階で学部のみんなで集まって食べているなんてことも、、。
最低100人以上はいる他の学部の場合だったら、まずないことでしょう…!
教育学部内の、縦の繋がりが強い
NF(大学祭)では教育学部祭なるものを教育学部棟で開催していて、それに向けて1回生から院生まで学年の枠を飛びこえて団結します。
入学したてのころは、先輩方がイベント(お花見、自己紹介会、などなど)を開催してくださるから、学年関係なく学部内での知り合いが多くなるらしいです。
暇な時間に教育学部棟の共有スペースへ行くと誰かしらいる、といった感じ。
テストより、レポート
テストよりレポートや出席で評価される授業の方が多く、テスト前に勉強に追われる、ということはありません。
文章をまとめたり、書いたりするのが苦でない人には向いているでしょう!
京都大学教育学部にはどんな学生が多い?
やはり教育学部ということで、明るくて人と関わるのが好きな人が多いという印象です。
全体として、遊ぶときはとことんはじけて遊ぶ、勉強するときは勉強する、とメリハリがあります。
京都大学教育学部の忙しさは?
★☆☆☆☆〜★★★★☆
ほんとうに人それぞれ。
教員免許や臨床心理士といった資格を取る人はそれなりに授業が多く忙しくなりますが、そうでなければ本当に暇、というのが正直なところです!
3回生から、現代教育基礎学系・教育心理学系・相関教育システム論系の3つに系が分かれるのですが、心理系が一番忙しくて、相関が一番ひまと言われています。
京都大学教育学部公式HPはこちら。
文学部
京都大学文学部の特徴
京都大学文学部の特徴は、
①学べる範囲が広い
②自分のペースで学べる
ということでしょう!
「法・経済・教育学部以外の全て」を学べる学部
文学部というと「小説とか読んでるの?」「何やってるかよくわかんない」というように、他の学部に比べてイマイチ正体が掴めない学部というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
なかなか難しい問いではありますが、京大文学部で学べることを一言で表すとすれば、「文系の学問で、法・経済・教育学部以外の全て」と言えます。
もちろん小説などの文学を学ぶこともできますし、歴史や言語や哲学、心理学に社会学などなど、学べる範囲は京大イチといっても過言ではないでしょう!
なので、「まだ何をやりたいか分からないけど文系の研究をしてみたい!」という人に特にオススメです
京都大学文学部にはどんな学生が多い?
自由の学風を誇る京大の中でも、更に自由な学部なので、本当に多種多様な人がいます。
古今東西の知識を備えた知識人、昼夜思考を働かせている哲学者、はたまた世界を旅して回っている人などなど、「ここでなければ出会えないだろう」と思う人と出会えます。
京都大学文学部の忙しさは?
★★☆☆☆
「絶対受けなければならない授業」というのが少ない、つまり「どれを受けてもいいよ〜」という自由に選べる授業が多いんですね。
さらに、テストの採点は「教授がオモロいと感じるかどうか」が基準だったり…
などといった点からかなり卒業はしやすいです。
しかしこれは京大の「自分で学べ」という方針に従ったものであるので、与えられた時間で色々なことにトライすることを見越しての暇と考えた方がよいでしょう。
【高校生向け】現役京大生が語る「京大文学部って何するの?」
京都大学文学部の公式HPはこちら。
総合人間学部
京都大学総合人間学部の特徴
3年生から人間科学科・国際文明学科・文化環境学科・認知情報学科・自然科学科の5つの学科に分かれます。
卒業後は就職半分、進学半分くらい。理転(=文系から理系に変わること)や文転(=理系から文系に変わること)をすることができます。肌感では文転でする人が多いと思われます。
「総人って何を勉強してるの?」
とよく聞かれますが、「人それぞれ」と答えるしかありません…
というのも、「全学共通科目」と呼ばれる教養科目の授業だったり、他学部の授業でさえも、「総合人間学部の専門科目」として扱われることがあります。
京都大学総合人間学部にはどんな学生が多い?
サークルに精を出す人もいれば、研究にのめり込む人もいます。
みんなまちまちですが、強いて特徴を挙げるとすれば、マイペースな人が多い、ということでしょう。
京都大学総合人間学部の忙しさは?
★☆☆☆☆〜★★★★☆
これまた人によってまちまち。
忙しい人だと、他学部の専門科目を聴講に行くこともあり、その場合は忙しく勉強することになります。
一方、暇な人だと、3回生の初めの頃に単位がそろい、4年生は遊び放題、ということも。
忙しくしようと思えばとことん忙しくすることができ、暇にしようと思えば適当に済ませることもできる学部。
ものすごく自由に過ごせる学部であることは間違いないですが、自分捜しに迷う人が少なく無く、4年間で卒業しない人もちらほら。
理学部・工学部・薬学部・農学部・医学部をまとめた理系編はこちら!
いかがでしたか?
京大の各学部での学生生活を想像できましたでしょうか?
自分が一番「楽しそう!」と思える学部を目指して、素敵な京大生生活を送りましょう!!