【京大生の親に聞いた!】京大合格者の育て方・受験生との接し方

2022年11月11日
高校生向け 受験対策/勉強法

「ウチの子、 ぜんぜん勉強しない......」 そんなお悩み、 ありませんか ?

でも、「もっと勉強しろって、親が口出ししていいのかしら、、」と葛藤されている方も多いかと思います。

なんだかイライラしている雰囲気の時は、お子さんにかける言葉も何が正解なのかわからないですよね。

そこで、受験生の子どもとの 「正しい向き合い方・接し方」 を、 現役京大生のお母さんに語っていただきました。 

―高校受験を振り返ってみてどうですか?

うーん。勉強している姿をあんまり見たことがなかったです。していたのかもしれないけれど。どうだろう?

でも、母親ってそんなものなのかもしれないですね。「してない」ってことが目に付く。

「朝起きてこない」「夜やるべきことやらずに寝てしまう」「試験間近なのに勉強していない」とか。そこばっかりが印象として残っている。親の方が空回りしているのかもしれないです。

―子どものいろんな側面を見る心の余裕がなかった、ということですか。

余裕なかったです。

どうしても成績やテストの点数が上がったとか下がったとか、そういった数字でしか見れなくなっていく。ふとしたときに、子どもの実態を見られていないのではないかという悲しさを感じたりして。

―決して順風満帆だったわけではなかった、と。

もう、とにかくわからないことだらけ。「これでいいの?」っていう。

本音を言えば、誰かに「こうしたらちゃんと育つ」、「こうすれば将来保証される」みたいなことを、嘘でもいいから言ってほしかったですね。それが良いことなのかは別にして。

―それぐらい不安が伴うということですね。

だから学校の先生でも塾の先生でも「とりあえずこの人を信頼しよう」と思える人を、親が見つけるか、あるいは子どもが見つける手助けをするっていうのが、すごく大切なことなんだと思います。

―塾講師として非常に身に染みるお言葉です(笑) そういった存在になれるよう我々も一層努めなければならないと再確認しました。

―もし受験期に戻るとしたら、お子さんへの接し方は何か変えていたと思いますか?

今だから言えるのですが、私は「子どもを安心させる役」というのが親として一番大切な役割だと思っています。

やっぱり親は往々にして不安をあおろうとするんですよね。「そんなことしてたら落ちるよ!」だとか「成績下がるよ!」だとか。私もそうでした。不安をとにかく投げることでやる気にさせようとする。でもそれは、今から考えたら全く間違っていたなと思うんです。

親だって受験は不安です。でも自分の不安を子どもに投影してしまうのは違うと思うんです。

テストの結果の悪さに動揺したとしても、落ち着いて「大丈夫!」「次の作戦考えよう!」と言える”演技力”が必要だと思います。

―やはり、それが言えるかどうかというのは、相当な葛藤がありますよね。不安な場面でどう対処するか。大変なときにどう自分が動くか。我々としても、とても大事なことだと認識しています。

―最後に、受験生のお子様を持つお母様に向けて、アドバイスをお願いします。

自分の子どもに対して「学校や塾で頑張っているかもしれないけど、家ではだらだらしている!」という不満を持つお母さんって多いと思うんですが、

―わかります。塾の保護者面談でもそういった悩みはよく聞きますね。

でもその状態って、実は理想なんですよね。

子どもが好奇心をもって、外に出ていく。疲れたり、くじけたりしたら親の元に帰ってくる。子どもはこの循環を繰り返しているんです。

帰ってくるときは、ぐだーっていう姿になっていたり、愚痴ばっかりだったりして、母親はそこにしか目がいかないから「なんてだらしない!」って思うんですが、至って正常な状態なんです。

 

もしこれが逆になってしまったらと考えると大変ですよ。家のなかでピシッとして、外でだらけて不平不満をまきちらす。えらいことですよね(笑)

だから、家でダラダラできるという関係性は、実は理想の状態なんです。

―なるほど!そこが理想というのは目からうろこです。

「子どもが頑張っている姿を一緒に支えたい」という思いは、親としてあって当然だと思います。でもそこは、学校や塾の先生にも、友達にもできる役割。

親にしかできないのは、外で頑張った後にだらけた状態で帰ってくる子どもを支えてあげること。もちろん全面的に甘やかすのがいいというわけではありません。でも、家で見せるだらしない姿というのは、逆に言えば家でしか出せないものなので、そこを否定してあげないでください、というのが私からのアドバイスです。

―本日は本当にありがとうございました!

 

「子育ては迷って当然。何度でも修正したらいい。失敗ととらえるのではなく修正をかけていくことが大事。」と当時を振り返りながら、噛みしめておっしゃっておられたことも印象的でした。