京大生インタビュー

超多忙の京大電気電子工学科で、教職を取りIT企業に就職する理由

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「僕、学部選びは後悔してるんですよ。

だから高校生には、どんな夢でも夢を持とうとしてほしいんです。夢を追いかけてそれを叶えるために大学、学部を選んで欲しいなと。」

 

京大理系学部でもっとも忙しいと言われる、電気電子工学科、通称「電電」。

彼はその学部を選んだことを「失敗だった」と話した。

そんな彼は超多忙な電電で、史上3年ぶりに教職まで取得。

大学院に進んだのち、超大手IT企業へ就職することとなる。

学部選びというつまずきからどう立ち直ったのか。

今だから伝えたい、受験を控える高校生へのメッセージとは。

 

高木一樹

石川県金沢市金沢泉丘高校出身。情報学研究科通信情報システム専攻修士2回生。

小中高と9年間バスケに打ち込みながらも、テスト期間と受験期間は徹底的に切り替えて勉強にも熱を注いできた。大学の勉強を通して、ITの可能性に魅了され、卒業後はIT会社にて、ITの力でよりよい社会作りを目指す。

 

高3夏まで「勉強時間は平日1日1時間」

高校生活について教えてください。

勉強時間でいうと、3年生の夏までは平日は1日1時間だったんです。

バスケ部で、バスケ命だったので、20時まで自主練で残って、21時に家に着いて、でもすごく疲れてるから1時間寝て、そうするともう22時で。

でも6時には起きて、朝練も行きたかったので、24時までの1時間で勉強する、という1、2年生でした。

その時感じたのは、身の丈に合ってない学校に行くのってめっちゃ大変だなって。

県内一の進学校だったので、なんとかやっていけていましたが、かなりきつくもありました。

背伸びしてレベルの高い学校に入ったら、めっちゃ大変やなって思いました。

1時間の勉強は課題ですか?

課題。英語の課題がいちばん多くて。

教科書印刷したものを和訳して、授業はそれを元に進めるのでやっていかないとまずい、というものでした。

作業に近かったので、特に高1の頃は勉強が楽しいというわけではなかったですね。

2年生の時始まった物理は楽しかったですが。

いつ頃から勉強にモチベーションを感じるように?

1年生の後期のテストで、クラスで1位になったんです。

中学のときはずっと学年1位で、高校は余裕で入ったつもりだったのですが、いざ高校に入ってみたら最初の試験の順位は200番台とかで。

でもなんとかそこで食らいついて頑張っていたら、後期にクラスで1番になれたんです。

それからは、勉強自体は苦痛だけど、テストで1番をとりたいというモチベーションだけで頑張れました

テスト期間に部活がなくなるのでそこでガーッと勉強していたという感じです。

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バスケはいつまで続けていたんでしょう?

高3の6月までです。

現役合格されていますが、どうやって勉強と部活の両立されたのですか?

「受験勉強」を本格的にスタートしたのは部活が終わってからですね。

部活が終わるまで、受験勉強というのを意識はしているけど、実際には受験用の勉強はしていなかったです。

1、2年生の時にやっていたようなことを高3夏まで続けていました。

焦りもなくはないですが、高校の先輩がそれで受かってたのを見ていたので、自分のやり方への信頼はありました

部活が終わってから、高3夏からスタート、と。具体的に何が変わりましたか?

勉強時間は変わりましたよね。

これまでは1時間、多くても2時間、週1のオフの前日の夜に朝まで勉強していました。

受験勉強に変わって、学校のない日は10時間はできるように、学校がある日は5時間はできるように、と変わりました。

あとはどの問題集使ったらいいかとかはわからなかったので、友達に聞いたり協力していました。

それはよかったですね、クラスは凄くいい雰囲気で。

みんなで頑張ろうという雰囲気でした。どういう勉強法してるのかとか、わからない問題を教え合っていました。

高3夏からの受験勉強で、成功のカギはなんだったと思われますか?

定期テストの積み重ねがあったのが大きかったと思います。

基礎のレベルを定期テストで完全に理解していたので、あとは入試レベルに、京大入試を解くレベルにしていこうという作業だったので。

その積み重ねが大きかったと思います。

定期テストがためになるという意識はあったんですか?

いえ、やはりただ1位になるということだけが目標でした。笑

クラスに京大志望が8人いたので、負けたくない、というか、切磋琢磨していました。

結構負けず嫌いが原動力でしたね。勝負事でしかやる気がなかったというか。それで頑張れていたんです。

かなりまっすぐな受験勉強、という印象ですが、自信はありましたか?

全然。判定は夏までEでしたし。模試では全然点数が取れなくて。

自分には勉強の才能は全然ないなと思っていました。

でも反対に、努力の仕方とか、努力するのは得意やなと思いました。

定期テストとか、対策の仕方が明らかなもの、ああいうのは強かったですね。

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後悔した、学部選択

京大電気電子工学科を志望したきっかけを教えてください。

高1から京大って決めていて。

かっこいいから、というだけだったのですが。

一応親から関東圏はだめだと言われたので、関西のトップを目指したのと、東大より京大の方がかっこいいなと思って。

京大というのははぶれなかったです。

だた、学部はブレブレでした

中学生の頃から学校の先生になりたかったので、高1の頃は教育学部志望でした。理系入学で。

ただちゃんと調べたら、理系教育学部は10人しか枠がないですし、教育学部に行かずとも先生になれると知って。

じゃあ物理好きだから、という理由で、高2くらいから物工(物理工学部)を目指し始めました。

それ以来模試には物工と書いていたのですが、当時物工は一番偏差値が高く、判定がなかなか出ませんでした。それで高3の秋に、電電(電気電子工学科)に変え、そこを受験するに至りました。

電電にしたのはレベル的に2番目だったというのと、スティーブ・ジョブズに憧れて、なんとなく近い学部かなと思ったからなんです。笑

当時彼が死んだ年で、物凄く注目されてたのですが、かっこいいな思いましたね。

ただその学部選択は、入学してから後悔しました。

忙しすぎたのと、僕にとっては勉強が面白くなかったんです。

留学に行きたかったのですが、忙しさで行けなかったり。

学部選択、振り返ってみてどう考えたらよかったなと思いますか?

夢があったらそっから逆算する。

僕は学校の先生になりたいという夢があったけれど、その夢がどれだけ確固たるものなのかという確信を持った方がよかったなと思います。

というのも、僕は先生という仕事の実情を知らずにその夢を語っていました。

もし、やりたいこととその職業についてできることをもっと考えていたら、他の選択肢を考えたかもしれません。

それは学部についても同じだったと思います。

先ほど電電を選んだ経緯を話しましたが、実はパンフレットも読んでないくらいで。笑

正直電電って、勉強が物凄く忙しい学部なのですが、そんなことも知らなかったですし。

そういう「リアル」を知っていたら違う選択をしていたと思います。

例えば電電に通う大学3回生に、僕がこういう性格、こういうことがしたいと知ってもらった上で進路相談したら、電電への進学を進められなかったんじゃないでしょうか…。

「きついから相当熱意無いと無理やで」と言われただろうな、と。

今考えるともっと情報を集めたらよかったし、特にリアルな情報を集めたらよかったなと思います。

その大学に通ってる人に聞くのが一番いいのではないかと。

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社会課題に対して、企業と共同で研究する

実際に入学した京大電電ですが、入って良かったことは?

電電でよかったのは、たくさん実験をさせてもらっていろんな研究分野に触れさせてもらえて、何に興味があるのかを考える時間をもらえることですね。

その手厚さはありますね。

研究の中身でいうと、扱っているのは電子とか電波とかほぼ目に見えないことなのですが、目に見えないものでこれだけ社会に影響を与えられるということは、面白くもあり、難しくもあり、ということですよね。

例えばiPhoneではこれだけの機能を、こんなに小さいのになぜ持てるのかと思うじゃないですか。電電ではそういったことの中身を知れるというか、どういう仕組みなのかを学べます。

面白かった勉強は?

1、2回生は基礎の勉強なのですが、3、4回生でやった研究室に入ってからの勉強、研究が面白かったです。

1、2はなんでも勉強しないといけないのですが、4回生になったら本当に専門的に勉強するので、自分の興味のあることだけを勉強すればよくなるんです。

それと、今までは勉強は何かを知るためとか、単位をとるためとかいう目的ありきでしたが、研究になると、「こういう社会の課題があり、こういうアプローチがしたから、そのためにこういう理論や技術を使う必要がある」という意味合いがあって研究するんですね。

それはモチベーションが湧きました

社会の課題に対して、その解決のために勉強するっていうのは、おもしろいです。

しかも、共同研究といって実際に企業の人とタッグを組むのですが、そこで商品化されたら、自分の勉強していることが本当に人のためになっているとかと便利になっていると実感しますよね。

研究ではそういった点が面白かったです。

研究、ってどのように進めるんでしょう?

3回生までは講義ですよね。先生が前でしゃべって、ノートに書く。

4回生からは、自分がしたいという研究をするために、どういう式を立てるか、というのを自分で図書館で探しに行く。一人、または二、三人で研究室で行います。講義という形の授業はありません。

研究していて思ったのは、学部で習っていた基礎的なことも全て、一つの技術がつながるということに感動しました。

教授とミーティングしていても、「これは一回生の後期の授業でやったよね」などと言われて。

それを使ったらこの問題が解決するんだ!と感動しましたね。

大学院ではどのようなことを研究されてんでしょうか?

電電からは、工学研究科、エネルギー研究科、情報学研究科、に進学しますが、僕は情報学研究科に進学しました。

僕がやっていた研究は、機械学習を使った、認知症の早期発見研究です。

高齢者の方って一人暮らししている方が多いですが、そうすると認知症に気づきにくいんですね。それを早期発見することで、患者を減らすことができます。

一般の、健常の人の歩行のデータ、認知症の人の歩行データを、分析し、人間が監視カメラで見ててもわからないようなささいな習慣の変化を見つけて早期発見するという。

共同研究をしている企業の人がその実験してくれていて、データをくれます。その、データを分析する、というのが僕たちが研究でやっている内容です。

企業の人にとっても、「うちが開発しているこのセンサーを使って何ができるかという成果を見せて欲しい」という思いがあるんですね。

かなり実用化に近い研究をなさっていますね。他にどんな研究があるんでしょう?

今、原子力発電所が止まったり、火力発電所がよくないねとかいう電力の問題は今大きいですよね。

その問題を解決するために、太陽光発電を宇宙ステーションにおいて、太陽に近い衛星でたくさん発電した電力を、電波で地球に送る、という研究とか。

これは自分の研究ではないですが、面白いですよね。

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京大電電史上、3年ぶりの教職取得

実は教職も取られている、と。

そうなんです。学部生の時にとりましたが、学部の勉強で忙しいのでかなり大変でした。

正直結構本気でないと、電電で教職を取るのは難しいと思います。

多くの学生は途中で諦めるので、実は僕が教職をとったのは、電電で3年ぶりだったみたいです。

なぜそこまで取ろうと思えたんでしょう?

中3から大学2年まで6年間の夢だったので、成し遂げたかったですね。

今すぐ教師になるという選択をしなくてとも、いずれなるかもしれないなと思っていましたし。今でも思っています。

諦めなかったのは、やはりその夢が強かったからだと思います。

同じように教職を取ろうとしていた周りの友達も途中で諦めていましたが、そういった人は「資格とかとると安定だよね」というくらいの思いだったと思います。

僕は夢だったので、諦めなくてすみましたね。

教師を目指した理由は?

生徒一人一人の人生に向き合って、その人の人生が変わって、その人が幸せになって、そしたら自分も幸せになる

普通は幸せって自分が、とか家族が、とかですけど、教師って毎年30人とかに確実に影響を与えるじゃないですか。

人生の幸せの量が、自分一人よりもはるかに大きいんだろうな、と。

それは中3の時に、部活の顧問の先生に出会って、人生が変わって、という経験が元になっています

今でもその先生のこと感謝していますし、それを思うと10年たった今でも感謝されることってないな、そんな幸せなことないなと思います。

今も教師を目指しているのですか?

いえ、一旦は社会に出て就職することに決めました。

教師になってやりたいと思っていたのは、キャリア教育で。

キャリア教育って、世の中のいろんな職業についての知識だったり意見だったりが要ると思うのですが、社会に出たことのない人が、それをできるのかなと思う部分があります。

新卒でずっと教師をやっていると、学校の外の社会のことを知る機会って少ないんじゃなかと思って。

一回社会に出てそこから戻って社会で学んだことを伝えていきたいので、ますは教師にならないという選択をしました。

これはやっぱり自分の適当な学部選択への後悔からも来ていると思います。しっかり自分の将来の姿を描き、自分にあった学部選択をしたかったなと。

だからこそ、高校生には学部選択はしっかりしてほしいと思うんです。

高校生へメッセージをお願いします。

今、夢を持てていない人が多いなと感じています。

夢持つのが難しいというか。自分が何をやりたいのか、何になりたいのかわからない。

でもみんなに、夢を持って欲しいなと思うんです。

どうやって夢を持つか。

そのためには、自分の琴線に触れるところを探し続けることが必要だと思います。

部活も勉強も忙しくて、そんな毎日でもいいけど、ちょっと足を運んでオープンキャンパスに行ってみる。いろんな人の話を聞いてみる。

そういった時間を作ることが大切なんじゃないかと。

もしくはテレビでもなんでも、「こんなの私にはできない」じゃなくて、興味のもったことを夢にしてみること。

夢を持とうとすること自体、すごく大事なことだと思います。

 

高木さん、ありがとうございました。

高3夏まで部活を続け、現役合格。

華々しいスタートの先に待っていた、苦しい学部での勉強。

無我夢中の受験勉強の先に訪れた、京大生としての生活に、疑問を抱くこともあったのでしょう。

夢を追う勇気を捨てなかったこと

それが逆境を乗り越えて、自分の進む道を作っていく原動力となったのだろうと感じられました。

“夢がない”高校生、まずは夢を持とうとしてみよう。

その努力が、きっと自分を未来へ引ってくれるはずです。

 

カテゴリー:京大生インタビュー

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当記事は、京都にある個別指導塾のリジョイス講師陣が執筆しています。

リジョイスでは現役京大生の中でも厳しい選考を通過し多岐にわたる研修を経た一流の講師陣が指導をしております。
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