受験コラム

【海外大政治学】政治学って何を学ぶの?高校では学ばない「学説」を徹底解説!

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この記事は、個別指導リジョイス(※)の河野先生が書きました

※京都大学・大学院の合格者による個別指導塾

大学と高校の違いは、教科書に無いことを見つけること

大学の勉強って何をしているのか?想像できますか?

レベルが上がる、それはもちろんですが、文系学部で学ぶことは、事実を踏まえて自分なりに分析し、結論を自分で考える、ことです。高校では教科書で学ぶこと以上は考える必要がありませんが、大学で学ぶことは、教科書に書かれていない秘められた原因や起こりうる未来について考える、そんなイメージです。

今回は、私が留学中に海外大で、また京大で学んだ政治学に注目して、大学の政治学ではどんなことを学ぶのか?というのを紹介したいと思います。

政治学の目的は、国際的問題をmanageすること

日米安全保障、パレスチナ問題、TPP、テロ、環境問題への取り組み、人権侵害、核兵器…

国際問題は星の数ほどあり、完全になくなることはありません。国民国家(nation-state)を歴史に持つ現代国家は、国家の利益を争って、国際問題を解決するベストソルーションを見つけることはほぼ不可能なのが事実です。

政治学の授業中、教授がよく

「国際問題はsolveできない。我々が取り組むのはmanageすることである」

と言っていました。
問題や紛争が起こること自体解決することは不可能であるが、やりくりすることはできる。そのやり方を見つけ出すことが政治学の目的である、そう私も理解しています。

政治学者のすること、学部生のすること

では、そういった目的をもった政治学を、どのように学ぶのか?ということですが、政治学者がしていることと、政治学の学部生がしていることはもちろん異なります。政治学者がしていることは、

①たくさんの事例を収集する
②なぜ・どのように問題が起こったのかを分析
③共通点を見つける
ルールを仮説として置く
⑤将来起こる問題を予言する

といったものです。ここにおける④の「ルール」を学説(theory)と言います。リアリズム(realism)、リベラリズム(liberalism)、コンストラクティビズム(constructivism)、マルキシズム(Marxism)といったものが存在します。これらは政治学の授業では必ず出てきます。学者は自分の置いたルールに新しい名前をつけることもありますが、既存の学説に自分の解釈を加える、というパターンが多いです。

そして学部生が学ぶことは、

①学者によるルール(学説)の考え方を学ぶ
②事例を学ぶ
③事例についてなぜ・どのように問題が起こったのか[学説を当てはめて]を分析する

です。①と②は逆転する場合があります。

では政治学で学ぶ「学説」と「事例」というのは、それぞれどういったものなのでしょうか?

政治学における「事例」とは?

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事例とは、世界で起こっている個々の具体的な問題のことです。例えば、第二次世界対戦や冷戦が起こった経緯、最近の話で言うと、イギリスがEUを脱退したこと、といったものです。それらについてまず各国の関係や、各国内事情など、事実をベースに学びます。

要するに、全ての国際問題は、いろんな国のいろんな事情の結果なので、その「いろんな事情」を学習するのです。

冷戦の例で言うと、第二次世界対戦で各国の力関係はどのように変化したか?、アメリカ、ソ連国内ではどういう動きがあったか?、といったことです。ここまでは歴史の授業に近いと言ってもいいでしょう。

政治学における「学説」とは?

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上に述べたような「事例(各国際問題)」が、世の中にはたくさん存在し、これからも増え続けます。しかし、問題が起こるのを待っていては、問題を対処することはできません。そこで、次の問題が起こる前に、

「過去の事例を分析して説明し(explanation)、その共通点を見つけることで、次の問題を予想し(prediction)、その対策を考える(prescription)」

ことをするのが「学説」の役割です。

具体的には先に述べたように、リアリズム(realism)、リベラリズム(liberalism)、コンストラクティビズム(constructivism)、マルキシズム(Marxism)と言ったものを指します。

これらは全て「世界にはAという前提があり、Bが起これば結果的にCを招く」といったようなルールを持っています。

もちろんそんなうまく全ての出来事を説明することは不可能なのですが、世界は不思議なことに、限界はあるものの、ある程度学説を用いて説明することが可能なのです。簡単に例を挙げて説明します。

リアリズムの前提:国家は国家の利益が第一であり、それを上回る国際協力の実現は難しい。

事例:京都議定書における目標未達成

リアリズムによる分析:CO2の削減は国内のエネルギー消費量の削減を伴い、国力の減退を招く恐れがある。よって環境問題における国際協力は難しい。未達成の国家を罰するなど、強制力を伴う条約締結が必要。

(参考)なぜ学説は複数あるのか?

国際問題は複雑なため、一つの視点は考えでは説明できません。
先ほどのリアリズムは、国家は国家の利益が第一なので国際協力は不可能だと主張しますが、それだけでは国連の存在を説明できません。
逆にリベラリズムは国際協力は可能と主張し、国連の存在を説明できますが、京都議定書における目標未達成を説明できません。

このように、着目するポイントが異なることによって、説明も異なってきます。これら着目するポイントの違いが、学説の違いに反映されています。大学ではそれぞれの考えの違いを学びます。

 

学説の役割について私の友人がうまくまとめていたので紹介しておきます。

“Global politics is extremely complicated and it’s impossible to look at every aspect of the global system at once. Each of these theories aims to simplify this complexity by focusing on key factors that each theorist believes to be important. By selectively focusing on what’s important and looking for patterns, each theorist aims to gain a clearer picture of reality. However, each of these theories make different assumptions about which factors are most important to the study of global politics, resulting in significant differences in worldview.”

=国際政治は非常に複雑であり、一度に全ての面を見るのは不可能である。各学説は重要だと考える要素の観点から、その複雑な問題を単純化することを目的とする。何が重要かの的を絞り、パターンを見つけることで、学説はその問題の真実を明らかにすることを目指す。しかしながら各学説は「どの要素が国際政治においてもっとも重要か」ということについて異なる見解を持って分析するため、問題の味方は異なる結果になる。

まとめ:大学では事例と学説から未来を予測する

以上に見たように、政治学は「国際問題をmanage」することを目標に持ち、過去に起こった事例からルールを見つけます。そして将来起こりうる問題を予測し、予防に繋げるというのが役割です。

私は海外大と京大で政治学を学びましたが、政治学は最も生活に密着した重要な学問だと思っています。私たちが学んでいることは、日々ニュースで見ることと全て関連しており、学んだことが全て“今”世界で起こっていることを考える材料になる、非常に面白い学問分野です。

歴史を学ばずして、知識を得ずして、国際平和を目指すことは無謀です。正しい知識を学び、何が成されるべきかを自分の頭で考える、政治学という学問に興味を持ってくれたら嬉しいです。

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この記事は、個別指導リジョイス(※)の河野先生が書きました

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