
ハルキは第一志望の大学に入れたのにも関わらず、なぜこんなに顔色がわるいのでしょうか?
それは、大学が家から遠すぎるからです。
「家の最寄りが始発だから座れるし、わたしには関係ない」
「第二志望以降はちょっと家から遠いけど、俺は絶対第一志望に受かるから関係ない」
と思うよね。その考えはちょっと待ったです。
私は愚か高校生のとき本当に上記の吹き出しの両方を思っていました。
4年間の激遠山岳キャンパスへの通学を経た私の4年分の心の叫びと辛酸っぱい経験と本気の忠告を、
電車通学とかをなめてるすべての高校生に届けたい。全編涙のノンフィクション。
この記事の8割はくどくどしてます。本当に伝えたいことは最後に書いてるので時間がない人は最後だけ読んでください。
※この記事では通学時間を以下のように分類します※あくまで主観かつ目安です 0-14分:ほぼ下宿。もしかしたら下宿生よりも近いかも。 15-39分:まあ全然余裕。むしろ実家にはご飯もお風呂もあるから楽。 40-59分:ちょっと遠いけどラッシュを避ければまあ、、。 60-89分:なんか高校時代より顔がむくんでるね。 90分以上:ホンマ、よう頑張ってる。通学時間に時給発生させたいくらい。
この記事をとりわけ読んでほしい人 ・第一志望が家から遠いけど電車通学もできそうな人 ・一人暮らしはできないことが分かっている人 ・第一志望は家から40分以内だけど第二志望は1時間以上 ・第二志望以降はなんとなく偏差値と大学ネームで決めた人 ・一人暮らしできるかどうか保護者とちゃんと話し合っていない人
まず、通学時間が長いからこそのメリットを紹介します。
・通学時間を有効活用できる
→強い気持ち、眠気に打ち勝つ好奇心があればできます。読書でも勉強でもなんでもいいです。ただスマホを触っているだけや寝たりするだけはもったいないです。
通学時間が長くても結果的に自分のためになることもあります。
通学時間と天秤にかけてもどうしても行きたい大学なら、貫いたほうがいいと思います。
偏差値がすべてではありませんが、偏差値が高いということは人気があるということ、それはつまり先生や施設含めよりよい環境が整っているということです。
この記事は遠方の大学をあきらめろということではありません。
では、とりあえず知っておいてほしい「通学時間長いとこんなことになるぅ」を教えます。覚悟。
其の一:シンプルに肉体が疲れる
其の二:ちょっとした用で大学に行くのが億劫になる
其の三:キホン、友達は大学周辺に住んでたりする
其の四:通学時間、想像よりうまく使えない
ではひとつひとつ見ていきましょう。
其の一:シンプルに肉体が疲れる
「私たち若いし、健康だし、大丈夫!」
と思いましたか?
長時間の通学というものは、どんなに若くて健康で魅力あふれる肉体であろうと、確実に疲れます。
通学というのは基本的に毎日と考えてください。
授業がなくても大学に行く用事は、サークルや部活動を筆頭にたくさん出来ます。入る学部やサークルにもよりますが、大学生は思ったより暇ではありません。
私は昔、「大学生になったら超暇だから、その時間で小説を書いて新人賞総なめにして女子大生作家として鮮烈にデビューしてやろう」と思っていましたが、これはこれは愚か娘でした。
特に、1,2回生の間は教養や語学の授業があり、それらの科目は午前中開講が多いです。
私の場合、1限(8:50スタート)に間に合うには、5:00に起きる必要がありました。朝もそうですが、いちばんしんどいのは帰りです。
大学で4限(16:40終了)まで受けて、電車で帰ってくると、気づいたら19時になっていました。まだこれはマシにみえるかもしれませんがこれはどうでしょう。
1限なみの早起きをして9:00-12:00のサークル活動に参加し、練習後みんなでおひるごはんを食べて、14:00頃に解散しました。そこから電車に乗って、、家についたら16:00過ぎです。
午前中だけの活動のはずが、一日潰れてしまいます。あと私は運動系のサークルに入っていたのですが、練習着とシューズを持って混んでいる電車に乗るのは本当にしんどいことでした。
また、大学周辺で集まりがあったときも、終電が気になったり、21:00に終わる会であっても帰ってくると日付変更前だったり、ついつい座ったら寝ちゃって乗り換えができず、知らない駅で目覚めたり、、。
私は毎日通学してサークルに勤しんでいた3年間、睡眠不足や通学のストレスにより、常に目が一重(本当は奥二重)で肌が荒れまくっていました。
とにもかくにも肉体の健康。それはクレオパトラの頃から美の秘訣です。
其の二:ちょっとした用事で大学に行くのが億劫になる
「じゃあ大学にあんまり行かなかったらいいや」
と鼻をほじりながら思いましたね?
大学は想像以上に大学生の活動拠点です。
学問にしろ、部活・サークルにしろ、就活にしろ、何をするにも結局大学でやるのが一番ラクです。
なぜなら、大学はWi-Fi完備、大きい図書館、広い体育館/グラウンド、キャリアセンター、お腹が減ったときの食堂(安い)/コンビニ、、。
大学は大学生に大学を使ってほしいんです。なのでできうる術を尽くして快適環境を整えてくれています。
勉強は近所のカフェでもできるし、、と思っても、混んでいたりコンセントがなかったりWi-Fiがなかったり、長時間いると迷惑になったりします!
家から大学が近かったら、ちょっとあの本を借りたいときでも、学生旅行のパンフレットが見たい時でも、大学でサークルのミーティングがあるときでも気軽に行くことができます。
其の三:キホン、友達は大学周辺に住んでたりする
「これのなにが悲劇なん?」
と鼻水垂らしてるチミ!
大学の友達と遊ぶとしたら、大学周辺がスタンダードだと思ってください。
知り合う友達にもよりますが、下宿生は思ったより多いものです。
私よりも家が近いのに、一人暮らしをしている友達もたくさんいました!憤怒!
最初は通学して苦楽を共にしていた友も、だんだんと通学に疲れて大学周辺で一人暮らしを始めることも起こるでしょう、、。
「下宿生の友達の家に泊めてもらったりできるから良くない、、、???」
とむしろ下宿生の友達ってメリットしかなくない?と思いましたね?
そうです。どうしても家に帰れなくなったときや、その日は確実に家に帰りたくない日など、友達のあったかハイムのありがたいこと。
ただし、やはり我々には実家という帰るべき古巣があります。
親に帰ってこいと鬼電されたり、友達の家のシャンプーが髪にあわなかったり、そもそも友達に迷惑だったりして友達のハイムに毎日泊まることはできません。
そして、下宿生同士は、大学周辺で遊ぶ場合、終電を気にしなくていいし、暇ならすぐに集まれるのです。
実家生でも、家から大学が0~40分以内なら、下宿生との格差をあまり感じなくていいかもしれません。ですが、40分以上かかり始めると、雲行きが怪しくなります。下宿生なら10分で集まってもうマリオカートを始めている頃、通学に90分かかる実家生は駅に向かっている途中か駅に着いたくらいです。実家生が遊び場である友達の下宿に着く頃、下宿生はもうマリオカートに飽きてスマブラを始めています。実家生は彼らがマリオカートをしていたことを知る由もありません。
一人暮らしなら、終電も親の鬼電も怖くないので、夜遅くまで、朝まで、果ては次の日の夜まで遊んだりもできます。ここまでがっつりずっといなくても、ふと「ラーメン食べたい」と思った時にラインしてみて一緒にラーメン食べたりできるのです。ただし、下宿生も下宿生のみで団結するわけではなく、実家生のことも誘ってくれますが、気軽さに差はあります。
まとめると、下宿生(or実家だけど家が近い人)同士は濃い付き合いになる可能性が高まります。
私は友達に「○○が下宿してたらもっといっぱいごはん誘うのに~」って言われて、本当にさみしい思いをしました。
そして、どんなに仲いい友達と晩ごはんに行く予定でも、19時に集まるとして17時には家を出て、帰ってくるのは23時とかだと、こちら側も億劫になります。
其の四:通学時間、想像よりもうまく使えない
「長い通学時間を活かして勉強したり本読んだり、有意義に使えば無問題ですヨ」
なんて言ってくるアロハシャツの男に、語学のテキストを買わされたりしてない?
片道2時間の場合、往復勉強していたら毎日4時間。みっちり勉強出来たら、第二言語だって余裕で読み書きできるようになりますが、そんなことは二宮金次郎かテスト前にしかできません。
あなたが二宮金次郎ではないのならば、通学時間は自分の意志とは裏腹に無為に過ぎていくものです。
私が往復4時間の通学でしていたことランキング 1位:睡眠不足を補うための睡眠 2位:寝るつもりなんてなかったのにうっかり睡眠 3位:音楽に乗って流れる景色を眺めながらのうっとり睡眠 4位:西加奈子の小説を狂ったように読む … 48位:勉強
私は自分では勉強は好きなほうだと思ってるし、わりと向上心もあるし、パリのマルシェでフランス語ぶちかましたいとも思ってるのに、このザマです。
勉強以外にもスマホにダウンロードした映画を観るとか、パソコンでレポート書いたり作業するとか思いつきますね。
まず映画をダウンロードするのにはスマホの容量がいるし、2時間も動画を流すとスマホの充電がけっこうなくなるので学校についたらすぐに充電したほうがいいです。じゃないと、他の人より家に着くのが遅いので充電が足りません。あと、眠い日は寝てしまいます。
ただ、タブレットなど、2台目を持っている人は大丈夫ですね。
私だけかもしれませんが、猛スピードで走る特急電車の中でパソコンを膝に乗せると停車したときにパソコンを前に落としそうになるし、ボックス席だったとしたら、前の人が「うわっ」てなります。そもそも立っていたらパソコンを開くことはできません。
ただ、それでも頑張って時間を有効活用出来る人はいます。
片道2時間のまとまった区切りは、家が近い人にはないものです。
私のように眠気に負けないで。
志望大学を決める前に親と話し合おう
と、ここまで執拗に苦労自慢をつらつらと書き散らしてきたわけですが、
皆さんに本当に伝えたいのは、これからです。
「志望大学を決める前に親と話し合おう!!!」
ズバリズバリと音がしますね。
恥を忍んで書きますが、高校生のとき私は
第一志望 京都大学
第二志望 芸人(京大卒の)
第三志望 作家(万城目学と森見登美彦の後輩として)
というくらい京大に行きたかったのです。京大以外には行きたくなかった。完全になめていますが、オープンキャンパスも京大3回と阪大に1回行っただけでした。
そして、煮えたぎる自尊心とキラキラ輝く大学ネームバリューを信じ、北海道大学と神戸大学で迷ったあげく、神戸大学に後期の願書を提出しました。
受験番号が円周率(314)だったからワンチャン受かるかも、、と思ってた京大を見事に落ち、ショックのあまり「浪人するう黄色い予備校に通って来年黄色のポスターに出て全国の受験生から尊敬されたんねん」と泣き叫んでいましたが、「来年の為に後期受けとくか」と小娘の本領発揮して受験し、でもなんとか今までの努力が報われてありがたいことに神大に受かった。
なんの試験でも一度落ちたことのある人ならわかってくださると思いますが、自分の受験番号があった時の嬉しさと「拾う神来た感」はあらがえないものでした。
センター試験もう二度と受けたくないという思い、そして前期落ちした高校の友達の多くが神大に受かったことも決め打ちとなり、私は神大生になりました。
まともに神大に行ったことがなかったので、通学し始めてから通学時間の長さとその山岳っぷりにびっくりすることになりました。
それから親に何度も一人暮らしを懇願しましたが、下宿はできないと説得されました。
・第一志望が家から遠いけど電車通学もできそうな人 ・下宿はできないことが分かっている人 ・第一志望は家から40分以内だけど第二志望は1時間以上 ・第二志望以降はなんとなく偏差値と大学ネームで決めた人 ・下宿できるかどうか保護者とちゃんと話し合っていない人
上記にあてはまる諸君。
志望大学を決める前に、親御さんと相談して、
①下宿の可否/絶対通学できないくらい遠い大学でもいいか
②どの大学からなら下宿してもいいか
③経済的に厳しい場合、奨学金やアルバイトでまかなえるか
他にも相談した方がいいことはありますが、とりあえずこの3つははずせません。
絶対にしっかり話し合ってお互い納得しておくべきです。
また、下宿の場合、比較的安くつく大学寮やシェアハウスという手もあります。これも保護者さんと調べてみてください。ただし、大学寮には入寮資格があったりするのでよく調べてください。
どんなに第一志望に行きたくても、第二志望、第三志望に行く場合のこともシュミレーションしておいたほうがいいです。どこに行くにしろ、多くの人の大学生活は一度だけなので。
ここまで読者のみなさんには「神大は遠い」ということしか伝わらなかったかもしれませんが、私は神大に行ってとても面白い学問と先生や先輩に出会い、通学時間を免罪符に遅刻しまくったサークルでもそれなりに友達ができ、学部でも変な友達ができました。
綺麗事でも正当化でもなく、今の自分は神大に行ったからこそ、であると思います。
大変な思いもたくさんしましたが、頑張って遠方まで通った意味はあったと思います。
挫折した人間への慰めのようでもありますが、やはり
「置かれた場所で咲きなさい」っていい言葉だと思います。
置かれた場所で存分に咲くために、志望大学は(第2、第3も含めて)納得して決めてください。
↓4年間苦楽を共にした定期