
人気があまりないと思われている地球工学科。実は地球工学科は多くのチャンスに恵まれる??
工学部の中で、地球工学科は「サブ」的なポジションに位置していると思われがちです。ただし,この学科で6年間過ごしてきた私は、この現実を非常に切なく感じます。なぜなら,地球工学科ではとても多くの機会に恵まれているからです!では一体どんなチャンスがあるのでしょうか。
Keyワードは,「選択肢の多さ」「自由度の高さ」「厳しくない」です!
「理系分野を網羅している!」
まず,地球工学科には3つのコースが存在しています。
「環境コース」「土木コース」「資源コース」に分かれています。
配属は3回生に上がる時で,2回生までは全員3つのコースに関係する分野を幅広く勉強します。
私が大学の授業を受けて感じたことは,「生物」「化学」「物理」すべての範囲に触れるということです。
例えば,環境を例にしてみましょう。
空気汚染による人体の影響に関する研究では,人間の体のメカニズムについて勉強する必要があります。
他に,橋の建設には力学を理解する必要がありますし,石油開発では油の性質など化学的な知見も必要です。
これらのように一口に「地球工学科」といっても、幅広い分野の知識に触れるチャンスがたくさんあります!!
「他学科で学ぶような内容にも触れる!」
地球工学科は幅広い分野に触れることができるため,他学科の内容と似たような研究もたくさんあります。
例えば,資源コースでは金属資源の勉強ができます。
金属資源のプロセスには「探査」「採掘」「精錬」「加工」があり,地球工学科ではこのすべての領域に携われるチャンスがあります!!
さらに,「加工」では材料工学といった物理工学科で学ぶような内容にも触れることができます。
「探査」では光学センサを用いた地表面変動解析や電磁気学を利用した地下構造の推定など,波動工学や電磁気学に関する研究を行うことができます!
入学後の選択肢の多さは地球工学科の最も素晴らしいところです!!
「文系科目も??」
また,地球工学科では「人とのつながり」という観点で物事を考える必要があります。
インフラの整備では,人の生活がどのように変わるかを意識すべきですし,環境問題においても人に何がどのように影響するのかを評価する必要があるでしょう。
私は資源コース出身で,この夏にある石油開発企業のインターンシップでベトナムに訪れた際は,石油資源が現地の人々の生活の根本に存在することを痛感しました!!
(インターンシップとは企業が学生に向けて開催する職業体験のようなものです)
「人とのつながり」という観点では,「歴史」「経済」など文系的な知見も磨くことができます。
理系科目と文系科目の両方に触れる機会は将来活躍していく上で非常に重要なことですね!!
私の研究内容はこんな感じ!
私は,シェールオイル/ガスの開発に携わる研究をしています。
地球工学科資源コース出身でその中でも石油天然ガス開発の進路を選びました!
国内の大学でも石油天然ガス開発に関係する研究を行っている人は非常に少なく非常に価値の高い研究活動に取り組めています!
現在アメリカを主体としてシェールガス開発が進められていますが,まだまだ多くの問題を抱えています。
その中でも私が解決しようとしている問題は,シェールガス開発に伴う乾燥地域での水の大量使用についてです。
シェールガス開発では地面に割れ目を生じさせるために多くの水が利用されていますが,水不足のため開発に対して住民反発等が生じています。
そこで私は水の代わりに泡沫(泡のハンドソープのようなもの)を利用できないかと考え,泡沫の適用に関する研究に携わっています!
最近油価が下がり石油天然ガス業界へのダメージが極めて大きいですが,これらの資源は人々の生活に欠かせません!
将来,私の研究が人々を支える存在になることを祈って日々研究に取り組んでいます!!
これまでは,地球工学科でどのような学びがあるのかについて描きましたが,次に地球工学科ではどのように過ごせるのかに触れたいと思います!!
地球工学科は忙しくない??
地球工学科は他学科と比較して「忙しくない」ことが特徴的です。
したがって学問に縛られすぎないため,部活動やアルバイト,ボランティアなど様々な活動に挑戦し両立させることができます!!
大学で勉強することは非常に大事ですが,それだけにとらわれてはいけません。
社会人になるまでの貴重な時間に勉強以外にも多くのことに挑戦する余裕ができるのも地球工学科の長所かもしれません!
「留年率が低い??」
また留年しにくいことも挙げられます!
「必修科目」というもの(卒業や進級に必要な科目)が比較的少ないです。
そのため他学科と比較して留年率は低いと思います。
ただし,わたしの友人では油断して2回留年してしまった人もいます。しっかりと勉強もしましょうね!!
「就職も様々な業界にチャレンジできる??」
地球工学科は自由度が高い学科です!
それ故,就職活動にある程度余裕をもって挑めることができます。
大学時代に自分が選んだ道で将来活躍することは非常に素晴らしいことです。
しかし,今の社会は変化が速く,大学6年間(大学院2年間も含め)で社会のトレンドは大きく変化していきます。
その際,将来に対して自由な選択肢を持てることも重要ではないでしょうか??
その点で,地球工学科は良くも悪くも自由度が高いため路線変更の機会は十分にあります!
現段階で将来具体的にどのように働きたいかが決まっていない人にとっては,良い学科であると思います。
(もちろん挑戦したい領域にとことん挑める環境でもあります!!)
「産官学,幅広い分野への道がある!!」
地球工学科は「人とのつながり」が大事になります!
そういう点から,官僚の道に挑戦する機会も十分にあります!
また,学士,修士,博士を通してアカデミックな世界で活躍するチャンスもありますし,もちろん民間企業に就職することも可能ですので,将来の選択肢は豊富にありますね!!
まとめ
以上,地球工学科の特徴を読み,どのような印象を持ったでしょうか?
繰り返しますがkeywordは「選択肢の多さ」「自由度の高さ」「厳しくない」です!
地球工学科は多くの可能性に満ちた学科です!是非,学科選びの参考になると幸いです!!
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