
京大日本史は難しい?
7割は短答問題
京大文系受験生の中には二次試験で日本史を選択する人が多いと思います。「京大日本史は難しいんだろうなあ…。」と不安に思う人も多いと思います。
しかし,そんなことはありません。
問題のほとんどが論述問題を占める東大や一橋とは異なり,京大日本史は得点中の7割が短答問題で占められています。つまり,基礎をしっかり押さえておけば十分得点できるということです。
京大日本史で差をつけるには,短答問題で60点以上は確保しておきたいところです。
京大日本史の対策方法
本記事では,京大日本史の対策として「山川日本史用語集」を使った勉強法を勧めています。
本記事の内容は大まかには以下の通りです。
・京大日本史の出題形式
・日本史用語集のポイント①:重要度が一目で分かる!
・日本史用語集のポイント②:入試範囲を網羅!
・日本史用語集のポイント③:説明文で論述対策!
筆者は高校生時代,英単語帳,古文単語帳,そして山川日本史用語集を三種の神器と崇め,日々隙間時間を見つけては読んでいました。その甲斐あってか,入試本番のセンター日本史は満点,京大日本史は85点を取ることが出来ました。
皆さんも今日から是非,隙間時間に山川日本史用語集を読んで,京大日本史で差をつけましょう。
京大日本史(100点)の出題型式
大問Ⅰ:史料問題(20点)
3つのセクションに分かれ,それぞれの史料に小問が付されています。史料は初見の史料が多く,時代も『日本書紀』から戦後70年の安倍談話までと幅広く出題されています。
初見史料ということで難しく聞こえるかもしれませんが,ほとんどの問題は基本的な知識があれば解答できるので心配する必要はありません。
大問Ⅱ:小問集合(20点)
リード文中の空欄を補充する型式です。基礎的な問題がほとんどなので,是非得点源としたいところです。
大問Ⅲ:総合問題(30点)
3つのセクションに分かれ,それぞれのリード文に小問が付されています。基礎的な問題がほとんどですので,得点源としたいところです。
大問Ⅳ:論述問題(30点)
200字の論述問題が2問出されます。時代も縄文時代から戦後までと幅広く出題されています。内容は制度の説明といったオーソドックスなものですが,200字に対して書く内容がかなり多いため,内容の取捨選択といった演習が必要になります。
日本史用語集のポイント①:重要度が一目で分かる!
教科書での掲載頻度
山川日本史用語集では,各項目に「用語が何冊の教科書に出ているか」を頻度数として示してあります。現在,日本史Aの教科書は7冊,日本史Bの教科書は8冊が文部科学省の認可を受けた検定教科書として全国の高校で使用されています。
つまり,他の日本史用語集や一問一答の様に重要度が著者の主観で判断されることなく,教科書を基準に客観的に示されていることに山川日本史用語集の特徴があります。
重要単語は一目で分かる
また,教科書での掲載頻度が特に多いもの(例えば8冊中6冊以上に掲載)は赤色で示されているので,重要な単語は一目で分かります。
つまり,赤色で示された単語(赤字単語)は入試本番でも外すことができない単語です。
京大日本史受験生は黒字単語に注意
京大日本史の7割を占める短答問題では基本的な問題が多いため,大体は赤字単語もしくはそれに準じた知識で正解できる問題が多いです。
しかし,赤字単語だけでは短答問題で60点以上を取るには少し物足りません。
そこで,京大日本史受験生には黒字単語のうち掲載頻度が多いもの(例えば8冊中3冊~5冊に掲載)に目をつけてみましょう!このあたりはいわゆる差がつく問題ですので,他の京大日本史受験生に差をつけることが出来ます。
差がつく黒字単語
2017年の入試における「重要な黒字単語」からの出題の例を見てみましょう。
(今回の記事では,筆者が高校時代に用いていた山川日本史用語集を用いて調査を行っています。最新版とは若干の異なりがあると思いますので注意してください。)
以下,教科書8冊中の出現頻度を①~⑧で示します。
大問Ⅰ
(2) 藤原陳忠② (3) 清涼殿⑤ (4) 御堂関白記④ (5) 刀伊の入寇④ (11)(い) 上杉禅秀④
(13) ハリマン計画③
大問Ⅱ
エ 黒塚古墳④ ケ 蓮華王院⑤
大問Ⅲ
Aウ 房戸④ Bク 修学院離宮④ Cケ 軍事教練② Cス 国民義勇隊② C(14) 宇垣一成⑤
このように京大日本史では,重要な黒字単語は例年10~20個ほど出題されています。
日本史用語集のポイント②:入試範囲を網羅!
検定教科書の全範囲をカバー
山川日本史用語集には,検定教科書に掲載されているすべての単語が載っています。
つまり,教科書に載っている=多かれ少なかれ歴史的に重要であり,高校生が知っておきたいと考えられる事項が全て掲載されています。京大日本史に限らず,どこの大学の入試においても基本的に教科書の範囲から出題されていますので,山川日本史用語集1冊を押さえておけば入試で心配する必要はないでしょう。
言い換えれば,山川日本史用語集に掲載されていない事項が出題されても,おそらくほとんどの受験生が答えられなため,あまり気にする必要はありません。
忘れがち?!原始時代の事項
京大日本史の特徴として,全時代からまんべんなく出題されることが挙げられます。
特に日本史でも最初に学習する原始時代は印象的な出来事も少ないため,重要な単語でも忘れがちです。そのため,京大日本史では原始時代からの出題が差がつく問題となっています。
京大日本史受験生は,ぜひとも原始時代にはしっかり目を通しておいて復習しておきましょう。
原始時代からの出題
京大日本史での原始時代の出題例を見てみましょう。この時代からの出題は特に大問Ⅱに多いので,大問Ⅱに絞っています。
2017年度
ア サヌカイト⑥ イ 丸木舟⑥ ウ 三角縁神獣鏡⑥ エ 黒塚古墳④ オ 熊本県ー江田船山古墳⑥
カ 杖刀人⓪
2015年度
ア AMS法② イ 更新世⑧
2013年度
ア 楽浪郡⑧ イ 銅矛⑧
2011年度
ア 打製石鏃⑧ イ 支石墓⑥ ウ 深鉢形土器⑤ エ 須恵器⑧
2008年度
ウ 紡錘車③
どうでしょうか。重要単語でありながら忘れていたり,知らなかったりするものも多いと思います。
日本史用語集のポイント③:説明文で論述対策!
単語の説明が充実
山川日本史用語集には,各見出し語に対し説明が付されています。
京大日本史の短答問題における小論述問題,また大問Ⅳの論述問題においては,この説明文が解答の一部となっていることが多いです。特に赤字単語の説明文は重要です。
京大日本史受験生は,赤字単語は知っているからと疎かにせず,ぜひ説明文まで読み込んでおきましょう。
説明文からの出題
説明文に答えがあるタイプの出題を見てみましょう。
2007年度
・起請文④…「~,契約の遵守を神仏に誓った証拠文書。違反した場合には,神罰・仏罰を受けるという意味が込められていた。」
2006年度
・内地雑居⑥…「外国人に日本国内での居住・旅行・営業の自由を与え,内地を開放すること。~」
2005年度
・三世一身法⑧…「~,新たに溝池をつくって開墾したものは三世まで,旧来の施設を利用した場合は本人一代の私有を認めた~」
このように重要単語の説明文がそのまま答えになるような問題も度々出題されています。
まとめ
京大日本史受験生が山川日本史用語集を使うときのポイント
①黒字の重要単語に目をつける
②原始時代の重要単語に目をつける
③赤字単語の説明文を読み込む
以上の3点を意識しながら山川日本史用語集を読み込めば,京大日本史の大問ⅠからⅢの短答問題で60点以上を取ることが出来るでしょう。
過去問演習をしよう
京大日本史対策でなんといっても欠かせないのが過去問演習です。
「京大の日本史15カ年」で演習を積んでおきましょう。この本には15年分の京大日本史の過去問だけでなく,各大問の傾向が細かく分析されており,非常に有用です。
それでは,入試本番まで頑張ってくださいね!