
京都大学の情報学科の人気は上昇中!
情報学科は入試の倍率でも5倍近くの倍率になってきているくらい人気沸騰中の学科です。
ただ人気がある一方、高校ではほとんど情報学を勉強することはなく、情報学科の実態は謎につつまれているような気がします。
情報学科では何を勉強できて、何ができるようになるのでしょうか。京都大学の情報学科を卒業し、大学院にも所属していた私が説明します!
情報学はとても幅広い
情報学科では情報学を中心に勉強するわけですが、情報学って一体どのようなものでしょうか。
情報学はよくあるイメージのプログラミングだけではありません。
情報学は辞書のような説明をしてしまうなら「情報」に関する分野になるわけなのですが、それだと何かピンとこないですね。
情報学の分野は例えば「計算機科学」「数理工学」「社会情報学」などいろんな分野に分かれています。
「計算機科学」はコンピュータとプログラミングに関連する分野で一番イメージに近いと思います。
「数理工学」は主に数学と物理に強く関連する分野で、例えば水の動きのシミュレーションなどがこの分野でしていることの一つです。
「社会情報学」では例えばビラ配りのうまい人の特徴を見抜いてロボットにそれを反映させたらどうなるかなど、社会とロボットの関係を考える学問です。
他の分野としては生物のDNAやRNAはある種情報を持っているわけなので、これらについて研究する分野、「バイオインフォマティクス」などがあり、もはやなんでもありの広い分野です。
筆者も把握しきれていません。
この幅広さは情報学の一つの魅力かなと思います!
京大情報学科では何を勉強するのか
情報学科では先ほど挙げたような分野を勉強できます。
ただ大学生のうちはどれか一本だけ勉強すればいいわけではないので、それぞれある程度は勉強することにはなります。
ですので、数学が苦手な人でもある程度数学はしないといけないですし、数学やプログラミングだけやっていたい人もそれらだけしていれば卒業できるわけではないです。
ただ大学二年生になると「計算機科学コース」と「数理工学コース」に分かれて少し絞って勉強できますし、大学院生になるとさらに絞って勉強することができます。
つまり幅広いだけではなく専門的に勉強することができます!
情報の世界大会にも出ることができる!?
情報学科ではICPCと呼ばれるプログラミングの国際大会に出ることが推奨されています(情報学科でなくても参加することができます)。
もちろん出たくなければ出なくてもいいのですが、予選でいい成績を収めると日本国内の大会や世界大会に交通費支給ありで参加することができます。
先輩の中には実際に中国で開催された世界大会に参加して、万里の長城を観光していた人もいます。
私も横浜や筑波で開催された大会に参加したことがありますし、自費でバンコクの大会に参加したこともあるのですが、とても楽しかったのでぜひ挑戦してみてほしいです!
私の研究は仮想通貨について!
私は仮想通貨に応用するための技術の研究をしています。
最近話題になっている仮想通貨の技術にブロックチェーンと呼ばれるものがあります。
ブロックチェーンでは仮想通貨の利用者それぞれが利用者全員分の仮想通貨の通帳を手元に置いておくという特徴があります。
少し難しい話になりますが、私たちがもっている日本円の価値は日本政府が保障していて、ブロックチェーンでは先ほど述べたように利用者全員で保証しています。
そのためお金の価値が例えば政府の都合で変わってしまったりということが起こらないのがこの仮想通貨のメリットです。
例えばビットコインという仮想通貨がこの技術でできています。
しかし人の通帳や自分の通帳をもっているということは悪い人がいれば改ざんすることができてしまいます。
ブロックチェーンは特別な構造を持つことで、この改ざんを防義、この問題を解決しています。
他にも問題はあり、その特別な構造も含めた通帳を利用者全員で共有しないといけません。
このとき通帳の大きさが大きければ共有するために時間がかかってしまいます。
私の研究ではこの通帳をどこまで小さくできるのかということがテーマです。
ここまでは情報学科で勉強できること中心だったので、実際どのように学生生活を送れるかについて書いていきたいと思います!
忙しすぎず楽すぎず
情報学科は他学科と比較して本当に平均くらいの忙しさだと思います。
忙しさのムラでいうなら2回生が楽で、3回生が忙しいのが少し特徴ですね。
僕が思うに2回生は大学に慣れてきて大学生らしいフリーな時間が一番楽しい時期だと思うので、その時期が比較的楽なのは結構よかったですね。
ただ楽しているだけだとためにならないので、適度に3回生は忙しくちょうどよいカリキュラムですね!
留年率は少し高い
少しネガティブな話ですが情報学科は留年率が少し高く、私が聞いたところでは4年で卒業できない人は3割程度いるという話もあります。
もちろん年によって変わるとは思いますが、他の学部学科と比べると少し高めですね。
ただ進学に当たって留年率は気にしなくていいと思います。
大学生ならどこの学科でもそうかもしれないのですが、自分でちゃんと頑張ることが求められます。
もちろん人の手を借りるのも時にはいいと思いますが、それならばただ助けを待っているのではなく聞きに行く、助けを求めないなら自力でちゃんと時間をとって頑張る、ということがしっかりできれば留年することはないだろうと授業受けてきた感じでは思いますね。
就職先は産官学どこへでも!
就職先は非常に広いです。
情報系の就職先というと今をときめくいわゆるweb系企業をイメージする人が多いかなと思いますが、もちろんそういうところに就職することもできます。
ですが、日系の大手企業でも多く就職先があります。
省庁のwebサイトを見るとわかるように情報系も多くの省庁で就職することができます。
また情報系はまさに論文数が増え続けているアカデミック界でも非常にアクティブな分野ですし、公的な研究機関のみならず、企業の研究者になるという道もあります。
情報学科と電気電子工学科(電電)との違いは?
電気電子工学科でも情報学を勉強することができます。
電気電子工学科で勉強する情報学はよりコンピュータに近いところ(ハードウェア)を勉強するのが中心で、情報学科はよりソフトウェアに近いところを勉強するのが中心といえば一番わかりやすいとは思います。
ですが実際にはどちらもある程度はお互いの分野を勉強していて、場合によっては専門にしている場合もあります。
絶対どちらかにしないといけないというのはないですが、情報学のソフトウェア的なことをしたいなら情報学科のほうがいいと思います。
電気電子工学科から大学院になって情報学研究科(情報学科の大学院にあたるところです)に進学する人もいます。
まとめ
ここまで書いてきたことをまとめると、情報学はコンピュータ関連だけでなくとても幅広く様々なことを勉強できるということ、就職や学生生活は特に心配しなくて大丈夫というかんじですね。
情報学科に対して何か得られたことがあれば幸いです!