
京大志望のみなさんこんにちは。
私は、農学部地域環境工学科に所属しています。
この記事では農学部を目指すみなさんに向けて、地域環境工学科(通称・地環)について、実際授業を受けている私の目線で紹介していこうと思います。
農学部ってどんなところ?
農学部といえば、どういう勉強をイメージしますか?
私は小中学生に自己紹介をするとき、
「農学部って何してるところやと思う?」
と毎回聞いていますが、大体返ってくる答えは、
「野菜・お米を作ってるところ」
です。
ところがどっこい、こちらの記事
「【高校生向け】京大生が語る「農学部の資源生物科学科ってどんなところ?」
を見ていただければわかるように、農学部では食物生産から派生した様々な勉強をすることができます。
特に私の所属する地域環境工学科では、農業に関する工学(農業土木学・農業環境工学)について学ぶことができます。
地域環境工学科?なにするところ?
地域環境工学科には、7分野の研究室が所属しています。
これらの研究室は、大きく「水土緑系」の4分野と「食料・エネルギー系」の3分野に分かれています。
①水土緑系
水土緑系の学問は、土木工学を応用して農業生産の基盤を扱うものが基本となっています。
京大の地環にあるのは、以下の4分野です。
「施設機能工学分野」
:施設を整備するために必要な知識の改良、開発につながる研究
「水資源利用工学分野」
:水資源の質と量に関する適切なマネジメントに関する研究
「水環境工学分野」
:水と化学物質の管理手法の構築と管理についての研究
「農村計画分野」
:計画論的な視点から農村地域のシステムのあるべき姿についての研究
②食料・エネルギー系
食料・エネルギー系の学問は、農学物の生産・栽培環境の制御技術について扱います。
京大の地環にあるのは、以下の3分野です。
「農業システム工学分野」
:農業をシステムとしてとらえた農業の効率化・最適化についての研究
「フィールドロボティクス分野」
:農業を支える工学的な技術やシステムの開発と応用に向けての研究
「生物センシング工学分野」
:工学的手法を用いた生産技術,および生産・作業環境を対象とした幅ひろい研究
それぞれの分野のHPへ飛べるようにしてありますので、地環志望の方はぜひ興味のある研究室を覗いてみてください!
地域環境工学科での生活って?
1・2回生の間は分野に関係なく、農業工学において基礎となる内容を学びます。
3回生に上がったくらいから自分の勉強したい分野を絞っていき、より専門的な内容を学び、4回生進級のタイミングで研究室に配属されます。
地域環境工学科の特徴は、農学部専門の必修科目が少ないことです。
7つの授業と卒論を書くための課題研究を除いて、指定された科目から好きに授業をとることができます。
特に3回生になってからは、他学科の授業も取ることができるようになります。
研究分野が工学に寄っていても、扱う対象は(特に食エネ系では)農作物です。
資源生物科学科の植物についての授業や、食料環境経済学科の農村食料生産の授業を取ることで、地環の分野にも繋がっている部分があることを知り、自分の専門に対する興味や知識が深まりました。
勉強に関して、私的に非常にしんどかったのは、物理・数学関係の授業がとっっっっっても多いことでした。
どの分野に進むにしても、農業工学の基礎については学ぶ必要があります。
また、専門科目で物理を使うため、全学共通科目(いわゆる一般教養)でも物理・数学系の授業の指定が非常に多いです。
やりたい勉強のためとはいえ、大学入試で物理を勉強していない生物選択&数学が苦手な私にとっては、なかなか辛い科目配置でした。
とは言っても実際...
はい!地環の勉強の難しそうなことばかり書いてみました!
なんだか漢字が多くてとっても大変そうですね!
実際の生活は、ここでの文章から想像できる数倍余裕があります。
それもそのはず、地環には、
・理系泣かせの必修の実験
・実験に伴う大量のレポート
・毎日最大限5コマの授業が入る
などなど、よく聞く「忙しい理系あるある」が(少なくとも3回生までは)ほとんど存在しないのです。
流石に研究室に配属されてからは忙しくなるようですが、少なくとも他の特に生物系の学科に比べると、かなり余裕をもった生活を送ることができます。
勉強だけでなく、部活やサークル、バイトなど、皆それぞれが自分のやりたいことをする時間を持つことができます。
もちろん勉強に打ち込むこともできますので、早くから志望分野が決まっていてしたいことが決まっている方は、ぜひ担当の先生に相談してみましょう。