
この記事は専門学科対策塾リングアカデミー講師の川村先生が書きました。
堀川探究学科群英語の特徴
今年度の堀川高校探究科の英語の問題は、大問1から順に「リスニング」「長文読解(説明文)」「長めの長文読解(小説文)」「英作文」によって構成されていました。堀川探究科英語の特徴として、文章が長く、難解であることが挙げられます。特に大問3の小説文の読解に関しては、高校入試としては非常に難易度が高く、限られた時間内に問題を解ききるのは簡単なことではありません。また、大問2の説明文の読解に関しても、専門的な単語が多く、テンポよく読みづらいものとなっていました。これらの難易度の高い問題を解くためには、高い読解力と情報処理力が必要になってきます。この記事では、2021年度の入試問題から一部の問題を解説し、堀川探究科英語のように難しい英文を解くためのポイントを紹介します。
大問別分析
大問1…リスニング
これまでの傾向と同じく、1つの会話文を聞き、
①その後に放送される質問に対する答えを選択する問題
②ディクテーションの問題
③内容に合うように単語を補充する問題
の3つの小問で構成されていました。
大問2…説明文読解
文章はコーヒーを題材として「情報リテラシー」について述べたものでした。文量としては、昨年度よりも減少し、小問の数も減少していました。また、文章が具体的に想像しやすいテーマだったため、読みやすく感じた受験生も多かっただろうと想像できます。
大問3…小説文読解
文章は、モニカという女性と靴屋の男性についての物語になっています。文量は昨年度と大きく変化はありませんでした。小問の数は少し増加しましたが、記述問題が出題されませんでした。難易度としては昨年とほぼ変化がありませんでした。
大問4…英作文
これまでと同じように
①グラフを見て文章で答える問題
②会話文の中にある空欄にあてはまるような文章を考えて書く問題
の2つで構成されていました。例年通りの難易度で、得点を取りやすい大問だったと思います。
2021年度堀川探究学科群英語 至極の一問
今回は大問2の説明文読解から、文章のテーマとも呼べる一問を紹介したいと思います。
【問題】
大問2より抜粋
People in the world drink 2.5 billion cups of coffee every day. In Paris, New York, or Tokyo, every cafe is *crowded with people enjoying their coffee. People like coffee because it tastes good or because it is relaxing to talk with friends over a cup of coffee. Some people say that coffee is good for your health, so you should drink it. However, there is some *research that shows coffee is not good for people who are *pregnant or have some type of sickness. Other people say that coffee is good because it can keep you *awake while you are driving, or help you to *concentrate when you are tired. However, drinking too much coffee late at night is not good if you have to get up early the next morning. There are several different ways to think about the question: is coffee good? You should ①take information with a grain of salt.
(注)crowded:混雑している research:研究 pregnant:妊娠している
awake:起きている
(2)本文中の下線部①の内容を、次の空欄 に5字以上10字以内の日本語を入れて説明しなさい。
情報を 受け取ること。
【解説】
まずは、傍線部の意味を確認したいところですが、「a grain of salt」の意味がこの時点ではわかりません。ということで、最後まで読み進めていくと最終段落の最後に
Always remember: take information with a grain of salt.
という文があり、このコロン以降が下線部①と全く同じであるのを読み取ることができます。この文は文章の最後に登場し、しかも「Always remember(いつも覚えていてほしい)」ということなので、筆者がこの文章で最も伝えたいことになります。ということで筆者の主張のまとめである最終段落をもう一度読み返してみましょう。すると、先ほどの文の2つ前の文
So you should know it is not good to believe everything you hear without thinking carefully.
を見つけることができます。この文は下線部①を含む文と同じように「You should」で始まっており、「~するべきだ」という筆者の主張を表しています。つまり、この問題で答えなければならないのは、この部分になります。この文を日本語にすると、「だから、注意深く考えずに耳に入るすべてのことを信じるのは良くない。」となり、これがまさしく、筆者がこの文章で伝えたかったテーマになります。
ということで、(2)の解答は
情報を注意深く考えた上で受け取ること。
となります。
まとめ
このように、堀川探究科英語は傍線部の前後だけを集中して読むだけではなく、文章全体を見渡し、筆者の主張を正確に読み取る必要があります。特に、難しい文章を限られた時間内に読む必要がある堀川探究科英語では、注目すべき箇所を正確に読み、その他の箇所は速度を意識して、文章を読まなければなりません。長い文章を速く、正確に、そして抑揚をつけて読むように意識して練習していきましょう。
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