
この記事は専門学科対策塾リングアカデミー講師の片山先生が書きました。
堀川探究学科群社会の特徴
例年の傾向
堀川探究科の社会は
①社会問題をテーマに扱う
②記述問題が多い
③知識をそのまま問う問題は少ない
という3つの特徴があります。堀川探究科の社会を解くためには,一捻りが加えられた問題文と中学校で学んだ社会の知識を結びつけることが必要です。
今年の傾向
2021年度の堀川探究科の社会は,例年から大きな変化が見られました。
①社会問題をテーマに扱う
→大問1では人口問題がテーマでした。
②記述問題が多い
→18問のうち,記述問題は2問のみの出題でした。
(参考:2020年度 5/19,2019年度 6/20)
③知識をそのまま問う問題は少ない
→グラフの読み取り問題などの出題が目立ちました。
④グラフを描く問題が出題される
・・・2015年から2019年までの日本の出生数のグラフを資料を参考にして描くという,新傾向の問題が出題されました。
難易度
例年の堀川探究科の社会らしい問題も出題された一方で,記述問題が大幅に減り,難問もなかったため,受験生にとっては取り組みやすかった問題だと思われます。問題の外見に惑わされず冷静に対応すれば簡単に解ける問題がほとんどでした。
2021年度堀川探究学科群社会 至極の一問
問題(大問1 問3)
下線部(C)に関連して,次の文中の「賑給(しんごう)」を不正に利用した役人はどのような立場にいる人物だと考えられるか。その役職名を1つ漢字で答えなさい。
現在の社会保障制度に類似する制度は日本でも古くからみられる。一方で,これらの制度が不正に利用されることもあった。
「賑給」は,古代律令国家が実施した制度の一つで,高齢者や困窮者・病人・自然災害の被災者らに対し,穀類や布を支給する制度であった。実際には,各地方に都から派遣されている役人がこの制度を支給対象者を決定し,地方に蓄えられた「租」税が支給の財源となっていた。しかし,各地方に都から派遣されている役人の中には,「賑給」対象者を実際よりも多く設定し,大量の穀類を不正に獲得する者も少なからず存在したのである。
解説
堀川探究科の社会らしい問題です。「賑給なんて初めて見た!」という感想を抱く人がほとんどだと思います。しかし,「賑給」という難しそうな用語にだまされてはいけません。この問題を解くためには,問われている役人の特徴を文章中から抜き出す必要があります。
役人の特徴について描かれた箇所を文章から抜き出してみましょう。
「古代律令国家」「各地方に都から派遣されている役人」
この2つから答えは分かると思います。律令国家の時代に都から地方に派遣された役人と言えば国司ですね。
このように堀川探究科の社会では,一見すると難しく見えるものの,落ち着いて考えれば簡単な知識を問うているだけの問題がしばしば出題されています。
まとめ
2021年度の堀川探究科の社会は記述問題が減って取り組みやすい問題でした。しかし,堀川探究科の社会らしい一捻りが加えられた問題も相変わらず出題されています。堀川探究科の社会の対策は,教科書に書かれている重要な知識の見直しから始めましょう!
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