
英語がニガテ・・・
・英語の点数が伸びない
・文法の問題は解けるけど、長文読解に時間がかかる
・リスニングが全く分からん
高校生の皆さん、こんな悩み抱えていませんか?
高校英語は、中学英語とは違い、「新しい文法事項をたくさん覚える」というよりも、
「膨大な量の英文から、短時間で正確に情報を処理していく」ことを求められてきます。
このような変化から、模試などで長文読解を解いていたら、いつの間にか時間が足りなくなっていた、ということが起こるようになり、得点が伸びず、苦手意識を持ってしまうというケースも少なくないでしょう。
(長文問題は文法問題よりも配点が高いので、長文問題での時間切れは得点にかなり影響してしまいます。)
時間を奪う犯人とは?
それでは時間切れの原因を探していきましょう。
英文を読むとき、その英文章を頭の中で日本語に翻訳し、それから内容を理解していませんか?
日本語に訳すその時間こそ、僕たちから時間を奪う張本人です。
英文を噛み砕き、日本語に翻訳して、理解する、この作業に僕たちは時間を取られてしまうのです。
もし、日本語に訳すための下準備として、英文に「S」や「V」などの印を付けていたり、形容詞が修飾している単語に矢印を引っ張ったりするなどの作業をしているのなら、さらに時間がかかってしまうのは、言わずもがなですね。
英語は「耳と口」で学べ
僕も高校1年のときは、英語に苦しめられました。
「中学の時は簡単に思えていたはずの英語で全く点が取れない。。。」
しかし、英語勉強法を「鉛筆と消しゴム」ではなく「耳と口」で学ぶことにシフトしてから、英語の点数に大きな変化が!
英語が模試での得点源となり、他の教科は得点が乱高下していましたが、英語だけは毎回安定して良い成績を残せていました。
この記事では、「耳と口」で学ぶ勉強法について見ていきます。
「英語→日本語→理解」から「英語→理解」へ
上でも述べた通り、英語攻略最大の難所は、日本語翻訳の壁です。ここを超えるのにかなり時間を奪われます。
そこで「壁超えるの辞める」という作戦を取りましょう。
つまり、英文を日本語に訳さず、英語のまま理解しちゃおうぜ、ということです。
皆さんは、twitterやInstagramの文章、もしくは友達との会話など、日本語を介して行われるコミュニケーションにおいて、その日本語の内容をいちいち噛み砕いたりはしないでしょう。
(ややこしい表現の多い国語の論説文や、条件が複雑すぎる数学の問題文は別ですが。)
英語もその状態にしてしまうことを目指します!
耳で聞いたり、目で見たりした英語を、噛み砕かず、さらには日本語を仲介せずに理解できるようになりましょう!
無理だと決めつけず、まずは挑戦。
実際に僕は、これができるようになり、速読の力が武器になりました。
是非以下に書く勉強法を試して頂き、英語を武器にしてください。
ポイントは、参考書選びと「理解」・「反復」です。
0⃣英語の参考書は、必ず音声データ付きのものを選べ
「耳と口」で学ぶがこの勉強のメインテーマですから、音声が使えない参考書はNG。
参考書はCD付きや音声データのダウンロードが可能なものを選んでください。
おすすめは音声データ付きのものです。
理由は、反復の際に、CDだとステレオまたはミュージックプレイヤーが必要になりますが、音声データならスマホにダウンロードすることができるで、場所を選ばず、またお財布にも優しいからです。
とりあえず、音声付きの参考書と、その音声がいつでもどこでも流せる環境づくりを整えてください。
1⃣最初はじっくり英文を味わえ
環境が整ったら、いよいよ英文と向き合っていきます。
まずは、参考書の長文を読み、問題を解いてみましょう。もちろん答え合わせも忘れずに。
そして、その文章を骨の髄まで味わってください。
どんなことが書かれていたのか、どういった文法が使われていたのか、単語一つ一つまで余すことなく分解し理解しましょう。
しかし、この作業をするのは答え合わせのとき。
問題を解く時間は、本番を想定して速さを意識しましょう。
そして答え合わせのときに、解説を読みながら英文を噛み砕いていき、この上ないレベルまで文章を解剖していきましょう。
2⃣同じ英文をすきま時間で反復せよ
英文を味わう作業を繰り返していき、解剖済みの文章が増えていったら、その中で特に気に入った、面白いな、なるほどな、と思った文章を5~10個チョイスしましょう。
チョイスが終わればあとは繰り返し聞くだけです。暗記するまでやりましょう。
味わう作業がしっかりできていれば、音声を初めて聞くときでも、なんとなく理解できると思います。
その状態から、何も見ずに自分の口でスラスラと言えるようになるまで、聞きましょう。そして、ときどき音読をしてどこまで暗記できたのか確認しましょう。
イメージとしては、好きな歌を覚えるのと同じです。
この曲いいなと思ったら、歌詞を調べて、そのあと何度も聴き、ときにはお風呂で歌ってみたりしながら、気づいたらイントロ・アウトロまで完璧に覚えてしまっている。
このような経験を皆さんしたことがあるのではないでしょうか?
これと同じ作業を英文で行うわけです。
他の教科の勉強や部活もあり、高校生は多忙を極めている方も多いと思うので、この繰り返し聞く作業は、通学時間や寝る前のちょっとした時間などのスキマ時間で行いましょう。
逆に言えば、英語勉強はスキマ時間だけでほとんど完結します。
スキマ時間で誰にも負けない英語力を身につけましょう。
この勉強法の効果
この勉強法でホントに英語の点数が上がるのか、速読力が上がるのか、疑問ですよね?
しかし、味わいつくした文章を完璧に暗記することができた場合、脳にはその英文に含まれる単語、文法が深く刻み込まれ、次にそれらを見たときには、反射的に理解できるようになっています。
つまり、英文に含まれる単語、文法については、日本語を介さずに理解できるようになっているわけです。
そして、暗記できた文章が増えていく度に、反射的理解が可能なものが増えていき、5~10個の文章を暗記できたときには、ほぼ全ての文法事項について「英語→理解」ができるようになっています。
これらがスキマ時間でできるのなら、試してみたいと思いませんか?
英語勉強において「耳」を使うことのメリット
ここまで、長文攻略のため、「英語→理解」の習得を主に紹介してきました。
しかし、この勉強法は長文読解だけでなく、様々な場面で役立ってきます。
リスニングでのメリット
「耳」で勉強しているので、「耳」を使うリスニングで効果が出ないわけがないですよね。
「英語→理解」の能力は、「目」で得た英文情報だけでなく、「耳」から得た英文情報についてもかなり有効です。
ライティングでのメリット
英作文が苦手という方も多いのではないでしょうか?
実は英作文の分野でもこの勉強法は威力を発揮します。
原理としては、たくさん本を読む人が、作文が得意なのと同じです。いろいろな表現方法を知っている分、スラスラと文章が書ける。
英作文も同様で、英文を暗記する過程で、様々な英語表現を覚えていきます。それを英作文のときに使えば、スラスラと文章が書けそうな気がしてきませんか?
僕は、「,(カンマ)」の使い方が上手くなり、英作文の幅が広がりました。
知識問題でのメリット
英文を味わい、解剖する際に、文法事項についても頭に入れているはずなので、二次試験で文法や熟語問題が出たときにも役立ちます。
上の二つに比べて、威力はやや劣りますが、それでも一定の効果を発揮してくれるでしょう。
もし、発音やアクセントについて問われたときには、「耳」で勉強してきたものを存分に活かすチャンスです。
単語帳・文法書の使い方
英語を単語や文法書を主体とし、「鉛筆と消しゴム」で勉強していくのは危険です。
以下では、僕が実際にやっていた使い方を紹介します。
あくまで英文を味わうための補助の道具
英文を味わう作業を行っていく際に、解説を見てもどうしても納得できなかったり、なんかこれに似たのあったよな、と気になったりする場面が出てくると思います。
単語帳や文法書そういった場面で、補助的に使っていました。あくまで補助。
こうして調べたところに付箋を貼ったり、印をつけていったりすれば、後で見やすくなりそうですね。
(僕はそこまではしませんでした。すみません。)
ただ眺めているだけはNG
先に述べた通り、英文を5~10個暗記できれば、多くの単語・文法をマスター出来ます。しかし、それだけだとなんか不安だと感じる方も多いと思います。
実際に、少しマニアックな単語、熟語、文法に関してはこの方法では網羅できません。
それらを習得するために、単語帳や文法書を用いることは非常に有効です。が、そこには落とし穴があります。
これらは、眺めるだけ、読んでいるだけでは、ほとんど身に付きません。
アウトプットをどんどん行っていきましょう。
具体的には、赤シートを使って一問一答形式で覚えていったり、スマホのアプリなどを利用したり、などです。
まとめ
皆さんご存じの通り、英語は世界共通語であり、アメリカやイギリスでは公用語として使われています。
想像してみてください。アメリカに住む子供たちは、英語を覚えるのに文法を一生懸命勉強したり、単語を必死になって覚えたりしたでしょうか?
もちろん、そんなはずはありません。
おそらく、家族やテレビから聞こえてくるものを知らず知らずのうちに記憶し、使いこなせるようになっていたはずです。
僕たちが日本語を覚えたのも同様の過程だったと思います。
英語を学習する時にも、それと同じことをしましょう。
「鉛筆と消しゴム」ではなく「耳と口」を使いましょう。
僕はそれが、英語力アップの最短コースだと思っています。
最後に、英語が伸びず悩んでいる人へ。
英語はただの言葉。
ひらがな、カタカナ、漢字を含む日本語を操れる日本人に、マスターできないわけがない。
(東進衛星予備校講師 安河内哲也より)