
例年の傾向
適性をみる検査Ⅱでは、毎年5題の大問から構成されています。西京附中の算数では、例年「割合」「速さ」「立体」が出題されており、さらに、プログラム問題がよく出題されます。例年、大問1は表やグラフを利用した割合の問題であり、割合の基礎力は必須です。速さの問題では、2年前よりグラフを用いた問題が出題されています。このような問題は難しいことが多いため、しっかりとした対策が必要です。
西京附中の算数分野で問われる力は主に3つあります。1点目は「問題文や図から必要な情報を選び出す力」、2点目は「地道に書き出して解く力」、3点目は「ゴールから手繰り寄せる力」です。
1点目の「問題文や図から必要な情報を選び出す力」についてですが、洛北附中・西京附中の適性検査では問題文が長かったり、短くとも多くの図やグラフが与えられていたりします。このような問題では、必要な情報を正しく読み取り、整理する力が必要になります。
2点目の「地道に書き出すことで解く力」についてですが、西京附中の適性検査では「計算だけでは解けない問題」をいかに得点するかが大きなポイントです。このような問題では、表や図を利用しながら、条件にそって書き出し整理する必要があります。また、書き出したものを利用して規則性を考え、計算を工夫することも必要です。
3点目の「ゴールから手繰り寄せる力」ですが、この力はより高難易度の問題を解く際に必要です。いわゆる「初見」の問題では、与えられた問題文をただ見比べていても次の一歩に踏み出せないことがあります。そのようなときは、「答えを求めるために何が分かっていればよいか」とゴールからスタートまで戻って考える、いわば逆算的な考え方が大きなカギとなります。
今年の傾向
今年度の適性をみる検査Ⅱは、大問5題、小問21題で昨年並の量でした。また、例年と同じく「割合」「速さ」「立体」の問題が出題され、プログラムの問題も出題されました。速さの問題では、3年連続でグラフが用いられており、例年同様に難易度の高い問題でした。問題全体を通して、過去問をしっかり対策した生徒にとっては目新しい問題なく、成果を発揮できる問題であったと考えられます。
今年の西京附中の算数では、情報を選び出す力・地道に書き出す力・ゴールから手繰り寄せる力、それぞれが必要とされていました。1点目の情報を抽出する力は、大問1と大問3、2点目の地道に書き出す力は大問2と大問5、3点目のゴールから手繰り寄せる力も大問3と大問5で必要とされていました。
昨年度に出題された平面図形は出ず、代わりに規則性を利用した問題が出題されました。立体を扱った問題では、立体の切断がテーマではあるものの、特に目新しいものではありませんでした。全体を通して、西京附中らしい問題であったと考えられます。
難易度について
例年の西京附中の算数は、単なる計算だけでは解けない出題が多いため、幅広い分野や出題形式に慣れ、きちんと対策をしていなければ高得点の難しい科目です。
今年度の西京附中の算数は、傾向に沿った分野からの出題も多く、きちんと過去問で対策をしていた生徒には取り組みやすいものだったと考えられます。問題の難易度を見極め、解ける問題を着実に正解したかどうかで、得点に差がついたと考えられます。