
例年の傾向
適性を見る検査III(算数分野)は例年大問5題の構成でしたが、今年は大問4題の構成と1問減りました。 また、小問数は少なく、今年は13問でした。答えにたどり着くまでのプロセスが多く、一つの答えを求めるのに時間がかかるのが例年の特徴と言えます。
例年の洛北附中入試の算数分野で必要とされる力は 「問題文を正確に把握する力」 「状況を適切に整理する力」 「求めたい値を正確に計算する力」 です。
洛北附中の算数の問題は長文化している傾向があります。そして、長文の中に問題を解くための「手がかり」が隠されています。故に、正確に読み「手がかり」見つける必要があるのです。
洛北附中の算数の問題文の状況は抽象的で理解しにくいことが多いです。その問題文を読み解き、正解にたどり着くためには「自分が理解できるように状況を整理する」ということが必要とされるのです。
洛北附中の算数の問題は、正解を導くのに多くの計算を必要とします。そのため、自分が求めたい値を正確に把握し、正しい式で確実に計算することが求められるのです。立式に必要な知識は全て算数の教科書に書かれているので、全ての問題を教科書の知識に準じて立式し、計算することが求められるのです。
今年の傾向
今年度の適性を見る検査IIIは大問数が4つであり、平成27年度から6年間続いてきた大問5題構成の出題から変化が見られました。
また、それに伴い小問数も減少しました。しかし、大問1題分にかかる時間や計算量は例年より多く、問題を解いたときの体感分量は前年度と同じと言えます。 出題形式は、近年洛北算数で増加しつつある「レポート・会話文の穴埋め形式」が大問4題中2題を占め、残りの2題は「長文から問題設定を読み取る形式」でした。いずれの問題も、長い問題文を読み取らなければけいないためその読解で苦戦した人が多くいたことでしょう。また、洛北算数で頻出の「解き方を記述する問題」も小問1問分出題されており、これは例年通りといえます。 出題内容は「規則性」「比例」「平面図形」「速さ」といずれも洛北算数で頻出の分野から出題されています。
しかし、過去6年間出題されていた「立体図形」分野や「コンパスや三角定規で作図する問題」が出題されなかったことには困惑した人もいたかもしれません。 ただ、いずれの大問も、難易度の差はあれど、解くポイントは全て過去問と本質的に同じです。故に、過去問をしっかり解いて「問題を解くのに必要な考え方は何か」ということを分析できた人は、合格点に近づくことができたでしょう。
今年は大問4題全て、長文を読み取り、問いに答える形式となったため、例年と引き続き①「問題文を正確に把握する力」や②「状況を適切に整理する力」が求められました。 また、しっかり方針を立てないと答えにたどりつかない問題も多かったため③「求めたい値を正確に把握する力」も必要とされました。
大問3の一次元的に平面図形を操作する問題が新傾向の問題と言えます。 この問題では問題文で与えられた数字を利用しながら定量的に図形を処理していくことが求められます。
難易度について
例年の洛北附中の算数は他の科目と比べて難易度が高く、受検生の差が開きやすい科目です。
今年は昨年までと傾向が異なる問題が多く、戸惑った受検生も多かったように思います。また、解答に多くの思考を要する問題も増加しました。 故に、難易度は昨年度よりも上がったと言えるでしょう。