【西京附中 理科】2021年度 出題概要速報!

2021年07月23日
小学生向け 学校/入試情報

例年の傾向

適性をみる検査Ⅲの理科分野は、毎年3、4題の大問から構成されています。各大問は主にレポート形式で出題されています。各大問のテーマは、エネルギー分野(物理分野)を中心に様々な分野からバランスよく出題されており、3年生など低い学年の内容からも多く出題されているのが特徴的です。分量は近年増加傾向にあります。

西京附中の理科分野の出題で求められている力は大きく分けて3点です。

1点目は「長い問題文を読み切る力」

2点目は「現象の理由を考察する思考力」

3点目は「算数の計算能力を理科に応用する力」 です。

1点目の「長い問題文を読み切る力」について、西京附中受検最初の壁である問題文の長さにまず対応する必要があります。レポート形式での出題も目立ち、様々な図・グラフ・表と理科の知識を統合しながら読み進める必要があります。

2点目の「現象の理由を考察する思考力」ですが、これは西京附中の理科に特別求められる力です。近年、西京附中の理科では教科書レベルの知識から一歩踏み込み、その理由を推察する問題が出題されています。教科書知識は単に覚えるのではなく、「なぜ?」という科学的な視点を持ってほしいという西京附中からのメッセージだと言えます。

3点目の「算数の計算能力を理科に応用する力」でについて、これも西京附中の理科に特徴的なポイントです。西京附中の理科では、例年何問か算数のような計算問題が出題されています。題材は理科的なものに変わっていますが、ここでも算数の力を発揮できるかが問われます。すなわち西京附中において算数の配点は300点中の100点より大きいといえるでしょう。

今年の傾向

今年度の適性をみる検査Ⅲ理科分野は、昨年と同じく大問数は4つで、問題量も大きな変化はありませんでした。また、昨年に続き、計算問題は1題でしたが、記述問題は計4題とやや分量が増加しました。文字数が少なかったり、比較的簡単な問題もある一方で、かなりの難問もあり、いかに「捨てるべき問題」を素早く判断できたかがカギになりました。 出題分野は、「磁石・電磁石」「空気と水の性質」「水溶液の性質」「ものの溶け方」「月と太陽」「ヒトの体のつくりと働き」「生物どうしのかかわり」と化学・生物・地学・物理分野からまんべんなく出題されており、分野の偏りなく勉強する必要があるといえます。

今年度は「長い問題文を読み切る力」、「現象の理由を考察する思考力」、「算数の計算能力を理科に応用する力」いずれも必要とされました。さらに、今年度は教科書レベルの知識から一歩踏み込んだ身近な現象について考え、その理由を考察させる問題が多くみられ、西京附中の求める生徒像がより鮮明に表現された問題だったといえるでしょう。

レポート形式ではなかったものの、会話文やたくさんの条件が示された長い問題文や、身近な現象を題材した問題が多く出題され、西京附中らしい傾向が継続されていました。一方で、上述した通り、身近な現象を科学的に考え、説明する力が一段と求められるような難しい問題が出題されました。

難易度について

例年の西京附中の理科は、難しい記述問題が出題されるなどなかなか取り組みづらい問題が多く、得点の伸び悩む科目の1つです。私立中入試における理科の出題とは一線を画しており、独自の対策が必要といえます。

今年度もその傾向は継続されており、多くの受検生が正答できていない問題も多かったと思われます。しかし、典型的な頻出問題も多く、それらをしっかりと得点したうえで、記述問題も部分点を狙って解答欄を埋めれば、合格ラインに達することは難しくないでしょう。