【各問分析】2021西京算数 -その問題、本当に解くべきですか?

2021年10月10日
小学生向け 受験対策/勉強法

この記事は、西京附中(京都市立西京高校附属中、西京高附中)2021年度入試の、算数の出題について、各問題の講評・難易度解説を紹介します。

過去問を解き終えた後に、

「この問題はどのくらいの正解率だったのか?」

「合格のために、この問題は解けなくてはいけないのか?捨ててよいのか?」

をご検討される際、お役立てください。

 

大問1 京都のごみの種類の内訳のグラフを読み取る問題

(1)グラフを読み取り、条件を満たすものの割合を選択する問題【やや易】

問題文の空欄に当てはまる正しい選択肢を選ぶ問題です。

グラフを読み取り、割合を求める問題は西京附中で毎年出題されています。

グラフを正しく読み取れれば、複雑な計算などは不要です。必ず正解したい問題でした。

西京附中対策専門塾「洛ゼミ」の講座では、特に重視して対策を行っていました。

 

(2)グラフに関する正しい記述を選択する問題【やや易】

2つのグラフに関して、正しい記述をすべて選択する問題です。

グラフを読み取り、正しい記述を選択する問題は、西京附中で頻繫に出題されています。

何と何を比べるか、あるいは何が読み取れて何が読み取れないかをつかむことが鍵になる問題です。確実に正解したい問題でした。

(3)割合を求める式として正しいものを選ぶ問題【易】

部分の一部分が全体に対してどのくらいの割合を占めるかを求める式を選択する問題です。

割合を求める問題は、西京附中で頻繁に出題されています。

「もとにする量」「比べる量」は何かを理解し、何の「割合」を求めたいかをつかめば、計算式を求めることができます。必ず正解したい問題でした。

 

(4)割合の変化と量の変化について考察し、理由を記述する問題【標準】

量が増えたにもかかわらず割合が減少した理由を記述する問題です。

「もとにする量」が変われば「割合」も変化する、という基礎的な考え方が鍵になる問題です。例年同様、定義や意味の理解を求めるような、いかにも西京附中らしい出題といえるでしょう。

問題文の内容に面食らうかもしれませんが、複雑な発想は必要ありません。正解できてほしい問題でした。

 

大問2 さいころの目に従って7人の円卓の座り方を順に決める問題

(1)()7人目が座れるようなさいころの目を答える問題【易】

6人が座ったうえで、7人目が座れるような条件を満たすさいころの目をすべて答える問題です。

規則性の問題は例年出題されていますが、今回の問題は実際に手を動かしてみないと分かりません。多少時間のかかる問題でしょう。

さいころの目を座席に対応させる規則が正しく理解できていれば容易に正解できます。実際に図を描いて座席の決まり方を順に確定していくことが必要です。

(1)()7人目が1人目の隣に座るようなさいころの目をすべて答える問題【やや易】

6人が座ったうえで、7人目が1人目の隣に座るような条件を満たすさいころの目を答える問題です。

規則を踏まえて結果から原因を推定する問題は、西京附中で頻繁に出題されています。

実際に手を動かし見つけるほかありません。いかに素早く作業を終えられるかが分かれ目となりそうです。

(2)()3人のさいころの目から、座席の場所を答える問題【易】

新たなルールに従って、出たさいころの目をもとに座席の場所を決める問題です。

この問題も(1)同様、ルールを正しく理解し、実際に手を動かせば解くことができます。ぜひ正解したい問題でした。

(2)()決まった円卓の座席を与えるようなさいころの目を答える問題【やや易】

7人の座席が分かっているとき、5人目と6人目に対応するさいころの目を答える問題です。

1人目から順にさいころの目を順に考えていくことで、特に複雑な発想もなく解くことができます。数人がすでに座っているとき次の人の座る場所がどう決まるかを、ルールをみながら正確につかむことが大事です。

(3)条件を満たすようにルールをどう変更すればよいか記述する問題【標準】

6人の座席を決めた後、7人目の座席をさいころで決めるように問題文の空欄を埋める問題です。

規則性に関連した記述を求める問題は西京附中でよく出題されています。

記述式での解答に一見うろたえる受験生もいたと思われますが、問題文の下線部に書かれているヒントをもとに、解答する内容がある程度絞られるため比較的思いつきやすかったと考えられます。ここで空欄にせず解答できればほかの受験生と差がつけられた問題だったといえるでしょう。

大問3 時間と距離のグラフから合流地点や速さを考える問題 

(1)郵便局にいた時間を答える問題【易】

2人の合計の歩いた距離の時間から、片方が止まっていた時間を答える問題です。

今年度もグラフを用いた速さの問題が出題されました。大問全体を通して、グラフの縦軸が「2人が歩いた距離の合計」であることに注意できているかがカギです。単なる距離ではないため、線分図なども利用して整理しましょう。また、グラフのかたむきが変化する場合は、それぞれのかたむきで何が起きているのかを確認する必要があります。

(1)では、問題文中やグラフから条件を正しく引き出すことができれば求めることができます。必ず正解したい問題でした。

(2)時間と距離のグラフから速さを答える問題【やや易】

2人が郵便局から図書館まで歩いた時の速さを答える問題です。

グラフの注目すべき部分がわかりさえすれば、難しい計算は必要なく、確実に正解したい問題です。 

(3)速さから歩いた距離を答える問題【標準】

グラフに示された値を利用して、距離を求める問題です。

問題文の条件や、グラフのかたむきが異なる直線がどの状態を表しているかを正しく読み取れていれば、グラフ上の値を利用して解くことができます。計算はさほど難しくなく、ぜひ正解したい問題でした。 

(4)歩いた距離から速さを答える問題【標準】

3)で求めた答えを利用し、Aさんの速さを求める問題です。

3)を解くことができれば計算自体は難しくありません。しかし、グラフの読み取りを間違えたり、前の問題を利用せずに考えると難しいです。受検生にとっては差がつく問題であったといえます。

(5)追いかけて歩いた際、2人が出会う速さの範囲を答える問題【やや難】

グラフや問題文中の条件を正しく読み取り、Cさんが2人と出会うことができる速さを検討する問題です。

最も早く2人と出会える時と、逆に最も遅く出会う時で場合分けして考えます。それぞれの場合に3人の距離がどうなっているかを問題文およびグラフを利用して見つけることができれば解くことができます。たくさんの条件が登場しており、整理するのに手こずりやすく、難しい問題だったといえます。 

大問4 2色の立方体の切り口についての問題

(1)直方体を斜めに切断したときの切り口の図形を選択する問題【易】

切り口の図形としてふさわしいものを4つの選択肢の中なら選ぶ問題です。 

時間をかけずにすんなり解くことができ、確実に正解したい問題でした。

(2)異なる色でできた直方体を切断したときの断面の色の比を答える問題【やや易】

立体を2種類の方法で切ったとき、断面の黒と白の比を数値で答える問題です。

立体の切断から色の異なる立体の比を求める問題は平成29年度の西京附中でも似た問題が出題されており、過去問対策をしていれば、全体的にも解きやすったと言えます。

小さい立体11つの体積に着目できれば、容易に解くことができる問題です。必ず正解したい問題でした。

(3)断面の黒と白の比が1:1になるような切り方を選ぶ問題【やや易】

直方体を1:1になるように切断するとき、断面が通る直方体上の点を4つ選ぶ問題です。

できるだけ白の立体を増やすように切断することを考慮すれば、おのずと頂点が絞られます。確実に正解したい問題でした。 

大問5 直進と右折ができるロボットのプログラムの問題

(1)ある動きを与えるプログラムを答える問題【易】

ロボットが指定の動きをするようなプログラムを記述する問題です。

西京附中ではおなじみのプログラムの問題です。プラグラム問題では、与えられたルールを正確に使いこなすことが必要です。

(1)では、問題文のルールが正しく理解できていれば容易に正解できます。必ず正解したい問題です。

(2)3つの動きが可能かどうかを理由と合わせて答える問題【易】

与えられた3つの動きが可能かどうか答え、その理由も4つの選択肢からそれぞれ選ぶ問題です。

ルールを正しく理解したうえで、実際に手を動かして試してみれば、容易に正解できます。必ず正解したい問題です。

(3)指定の入り口と出口を結ぶ動きを与えるプログラムを答える問題【標準】

問題文中に与えられた4つの道筋以外で、指定の入り口と出口を結ぶプログラムを見つける問題です。 

すぐには思いつかなくても、ルールを確認しながら何度も手を動かしてることでみつけることができます。時間はかけすぎないようにしつつも、ぜひ解けてほしい問題です。

(4)プログラムでたどり着けない場所を答える問題【標準】

直進と右折の組み合わせだけでは到達できない場所を盤の外の11か所からすべて選択する問題です。

指定されたプログラムの特徴をつかむ問題は、西京附中で頻繁に出題されています。

(1)(3)からプログラムの特徴をつかみ、実際に手を動かしてみれば、たどり着けない場所が見つかります。多少時間はかかるものの、正解したい問題です。