「数学ⅡB」から「数学ⅡBC」へ!!何が変わる?何が変わらない?受験までに知っておくべき3つのこと

2023年12月01日
高校生向け 学校/入試情報

文部科学省による,学習指導要領の改編により,2025年度の共通テストから,「数学ⅡB」で行われていた試験が「数学ⅡBC」に生まれ変わります。「統計が増える!!」や「文系でも,複素数平面をやらないといけないの?」など,不安に思っている受験生は多いと思います。ただ,冷静に考えてみましょう。「数学ⅡBC」のうちほとんどは「数学ⅡB」の内容です。ちょっと変わるだけでほとんど変わることはありません。今回は,「何が変わって何が変わらない」のか見ていきましょう!

 

1.「数学ⅡB」と「数学ⅡBC」の違いまとめ

2.「統計」と「ベクトル」と「数列」と「複素数平面・式と曲線」のどれを選ぶべき?

3.「統計」をやっていない文系浪人生はどうすればいいの?

 

1.「数学ⅡB」と「数学ⅡBC」の違いまとめ

いきなりですが,変更点と共通点を下の表にまとめてみました。

変更点

数学ⅡB(2024年度入試まで)

数学ⅡBC(2025年度入試から)

試験時間

60分

70分

選択問題

統計

数列

ベクトル

から2つ

統計

数列

ベクトル

複素数平面・平面上の曲線

から3つ

 

共通点

数学ⅡB(2024年度入試まで)

数学ⅡBC(2025年度入試から)

必答問題

三角関数・指数関数・対数関数など

微分法と積分法

出題形式

センター試験のような誘導にのれば解ける問題よりは,

問題の状況を理解して思考・試行する力が問われる問題が多くなるが,

これは従来の共通テストと変化なし。

 

特に重要なポイントは

・試験時間が60分から70分に延長される。

・「統計(数B)」・「ベクトル(数C)」・「数列(数B)」・「複素数平面と平面上の曲線(数C)」から3題選択なので,文系でも数Cを勉強しなければならない!!

の2点です。2点目は非常に大きな変更点になるので,詳しく見ていきましょう。

 

2.「統計」と「ベクトル」と「数列」と「複素数平面・式と曲線」のどれを選ぶべき?

まずは,それぞれの分野の特徴を見ていきましょう!!

共通点

統計

数列

ベクトル

式と曲線

複素数平面

おすすめ度

(10点満点)

10

難易度

(10点満点)

対策のしやすさ

(10点満点)

10

過去問の豊富さ

(10点満点)

10

10

10

もちろん各分野特徴がそれぞれあるので,個人差は出ますが,統計の問題は出題パターンがかなり少ないので,過去問を何周もすれば,すぐに身につくという点からかなりオススメだと思います。

その一方で,式と曲線・複素数平面は「そもそも過去問がない。」という対策のしようがない状況なので,あまりオススメはできません。

もちろん,理系の人で,式と曲線・複素数平面が得意だという人は選んで得点源にしてみてもいいと思います!

結論,数学が嫌い・苦手だと思っている人は,「統計・数列・ベクトル」の3分野を選択して解答するのが無難で安全であると言えるでしょう。

3.「統計」をやっていない文系浪人生はどうすればいいの?

一旦落ち着いて,大学入試センターのHPを見てみましょう。すると,令和7年度試験に関してはこんなことが書いています。

 

「新教育課程による出題科目と旧教育課程による出題科目を合わせた5科目のうちから1科目を選択し,解答する。」

 

これがどういうことかというと,新教育課程による出題科目「数学ⅡBC」と旧教育課程による出題科目「数学ⅡB」・「数学Ⅱ」・「簿記・会計」・「情報関係基礎」の5つの科目から1つを選択できるということです。したがって,数学ⅡBCを解かなければいけないのではなく,「数学ⅡB」・「数学Ⅱ」なども選択できるのです。これは従来の共通テストと同じ形式なることが予想されるので,安心ですね。

ただ,1点だけ注意が必要な点があります。それは試験時間です。

従来の共通テストでは「数学ⅡB」の試験は60分で行われていましたが,令和7年度試験からは例え,旧教育課程による出題科目である「数学ⅡB」を選択したとしても,70分で試験が行われます。

ここには注意しておきましょう。

 

 

 

この記事はここまでです。令和7年度から始まる新教育課程による共通テスト,不安な受験生は数多いるとは思いますが,正しい情報を仕入れて,恐れずに試験に立ち向かうだけでアドバンテージになるでしょう。自分が受ける大学,東京大学・京都大学などの2次試験に「統計」は出題されるのかなども調べてみましょう!!